繁華街のゴーストタウン。

…… JR 大阪環状線の「新今宮」って駅がありまして。
……ええ。近々、金持ちのための超ホテルが建てられるとかってウワサの、あの町です。
……あいりん地区、西成区、などなど、ある意味では「大阪のスラム街」の一つでもありますが。





その駅前に、かつて。
町のド真ん中に、ジェットコースターのレールが敷かれると云う『珍百景』がありました。



フェスティバルゲート』。



今も、残ってるのかね?
スパワールド』は、現行で稼働中ですけれど。


……と、言うか。
……あの界隈は、いわゆる『新世界』とも呼ばれる、大阪府でも最大規模の商業地域でもあり。
……でんでんタウンオタロード、などを経て、難波に至る一帯は、なかなかにして、面白い街並みです。


えー、と。


ボクが、最後に、その場所を訪れたのは、数年ほど前になりますが。
なんつーか。
閑散とした、シャッター街でしたね。
薄ら灯りの廊下を、怖々と歩いた印象が、強烈な記憶。
膝元の『新世界』は、相変わらず、大阪らしい賑わいに溢れていると言うのに。
フェスティバルゲート』は、ほぼ、都市の中の死角と云う雰囲気でした。


……ヤンキー、もしくは、DQN、893、なんかの巣窟にでもなってたのかね。
……ボクが行ったのは昼間だったから、そう云う人たちが寝てた、ってだけで。


そんな感じのシャッター街でした。
肝心のジェットコースターが、まだ動いていたのか、もう止まっていたのか、それすら覚えてない。


……、とか。
……それを思い出しました。


何を見て?


神戸市の『新長田アニメストリート』を巡る、一連のニュースを眺めていて。


大阪の新今宮の『フェスティバルゲート』の荒廃感と、物理的な雰囲気が、似てるな、って。


物理的な、雰囲気。
経済的な事情やら、政策や政治のアレコレやら、その辺の「類似性」や「齟齬」は知りません。
そもそも、コンテンツとして売り込もうとしたモノが、それぞれ、違いますから。


(『神戸アニメストリート』は、ホビーカルチャー系のコンテンツ・ショッピング・モール。)
(『フェスティバルゲート』は、第三セクター型のテーマパーク・ショッピング・モール。)


フェスティバルゲート』が集客に失敗し、内包していた店が消えた事情は、よく知りませんけれど。
そして。
『神戸アニメストリート』に関する話は、ニュースで報道されている表層の事情しか知りませんけれど。


物理的に。
本当に、視覚的イメージとして、単純に。


おなじ二の轍を進んで、こうなったんだな……、みたいな。


観光資源、としては活かせないけれど。
雰囲気的には、すごく、特殊な空間で。
コレはコレで、見に行っただけの価値はあったかな、とは思いつつ。
あまり、他人様にオススメできる観光スポットでは無いにせよ。


真新しい、廃墟。


そんな感じ。


※ ※  以下、『フェスティバルゲート』に限定しての、私感。  ※  ※


「廃墟」と云う特殊条件も、特異なニッチの集客性を発揮する自今。
あるいは。
コレを逆手に取って「大都市のド真ん中の廃墟」と云うコンセプトで『テーマパーク』として活かせないかな、とか。
シャッターを閉ざした店々は、シャッター街のまま、そのままに。
懐中電灯を持って、誰も居ない、廃墟のショッピングモールの隅々を探検する、実体験型アトラクション。


なんだったら「巨大お化け屋敷」みたいな感じにしても、面白いのかも。
……、っても、そうなると。
……それはそれで、また、維持や管理のためのコストが絡んで来るワケで。
……放置状態をコンテンツ化すると、保安や治安と云った、別の問題が発生するし。


人々は、何を求めて、街へと集まるのだろう。


少なくとも、『フェスティバルゲート』に限って云えば。
「萌え」を求めるなら、通天閣すらスルーして「でんでんタウン」経由で「オタロード」に行けば良いワケで。


併設されている『スパワールド』が現行で稼働中、ってのも、興味深い所では、ありますね。
もう少し、足を延ばせば、一駅ほど先に近隣するのは、大阪南部の最大都市。天王寺


最近だと、なんとかフレンズ効果で「天王寺動物園」が盛り上がってたりしますかね。(笑)
つーか。
「アベノハルカス」が、そびえ立っている。
ただただ、それだけでも、もはや、何の説明も工夫も要らないのですけれど。


転じて。
逆に。


天王寺やら新今宮やら、いわゆる『大阪のミナミ』の御膝元に、ありながら。


どうして。
フェスティバルゲート』には、人が、客が、集まらなかったのだろう?


「都市の再開発の失敗事例。」の、ものすごく貴重なケース・スタディ、が、発掘できそうな気もするんですケドね。
フェスティバルゲート』の廃墟【 = 誕生から閉鎖に至るまでの、局地的な歴史。】を発掘すれば。