マスコット概論・Q(全3回、その3)

……はいはい、エヴァエヴァ。(笑)


ここまでの、まとめ。
第一章。そもそも、まず「マスコット」って単語を思い出そう。
第二章。「マスコット」の仕事は一つ、最初のツカミ。




※ ※ 【 1 : 「マスコット」と「キャラクター」の違い。】 ※ ※ 


結局、「マスコットキャラクター」なんですケドね。


・マスコット : 見た目。
・キャラクター : 中身。


……心、と、身体。
……その二つ、心身、両方、どちらも伴って。
……初めて「マスコットキャラクター」になるのかな、と。


理屈では、解かっていても。
実際、どっちかにウェイトが傾いて、魅力が半減してるって例、多い気がします。
……個人の感覚、ですけれど。(…予防線。 / 笑)


でも。
「……あー。」って。
思い当たるフシのある人、居るんじゃ無ェかな。



※ ※ 【 2 : 「想いだけでも、力だけでも、世界は変えられない!」】 ※ ※ 


キラ・ヤマトガンダム SEED )の名言ですね。


<「想い」だけ、の、キャラクター。>


マスコット概論、第二章の話ですね。
『最初のツカミ』で失敗してるから、後の活動が何も見てもらえない。


コレ。
各方面で、多分に、みんなが絶大な誤解の蔓延している話でもあるのですけれど。
「上手なだけのイラスト。」では、人は、何も見てくれないぞ。


……ザラに居ますよ。
……『電撃萌王』での通用するんじゃ無いか、ってぐらい、手腕が長けているのに。
……フォロワー 100 とか 200 とかの人。
……「見た目が上手、だけ。」なら1000円の大袋の業務用「柿の種」ぐらい縮在してるんです。
……その中の、柿の種の一粒ですもの。
……そりゃ、目立ちませんよ。
……どれ見ても一緒に見える、とは、酷な話、そう云うコトです。


「柿の種」マニアなら、その一粒一粒の違いを、個々一々、選別するんでしょうケド。


興味の無いヒトには、どれを食べても「柿の種」です。
キャラクターの集団的な類似の果ての無個性化、ってのは、そう云うコト。


<「力だけ」、の、マスコット。>


マスコット概論、第一章の話。
貴方が立ち上げたのは「キャラクター」では無く「マスコット」です。
当然、マスコットとしての仕事(ツカミ)の後は何の役にも立たず、効果を発揮しません。


萌えキャラにしても、ゆるキャラにしても。
モノはある。……けれど、モノだけしか無い。
……ってのは、つまり、コレです。


「せっかくキャラクターを立ち上げたんだから、何かヤろうよ。」


……そんな事は、微塵も考えてないんでしょうね。
……だって。
……自分が立ち上げたマスコットを「キャラクター」だと信じてるのだから。
……据えた瞬間に、心を持っていると思ってるんだから。
……自分の力で一人で動く、と、信じてるのでしょうね。絵が。着ぐるみが


まぁ、それは、比喩的な言い方ですけれど。
つまり。
モノさえ置いて於けば客が勝手に集まってくれる、と云う、パワー商売。



※ ※ 【 3 : 成功者たちの挽歌。】 ※ ※





さて。
ここまでの話の例で『めがみめぐり』の「アマテラス」を中心に据えて来ましたが。


……ニパ子、は?
……くまモン、は?


そりゃ、そうでしょうね。
普通、この手の話をするなら、成功者の法則論からメソッド追求するのがスジですよね。


でも、ね。
それこそが最大の落とし穴、なんです。


すでに「だから成功した。」の結論が、最初から出てる。
……その結論に向けて、尾ひれ、背びれ、ウロコ、なんかをベタベタと後論で書き足して。
……それを、メソッド、だと呈示する。


何の役にも立ちません。
だって、おなじ轍を歩んでも、柳の下には二匹目のドジョウは居ないもの。


成功者の真似をして、失敗する。
良くある話ですね。
……だからこそ、最たる成功例の話は、完全に無視したのです。


なぜか。


先入観も、事前知識も、何も無いヒトに向けて、0 からアプローチする。


その実感のために。


先入観も、事前知識も、何も無いテーマを例に出したんです。
読者の方々には『まったく何も知らない状態で、 0 から触れてもらう。』ために。


初めて、


「マスコットキャラクター」に触れて、


どこまで、新境地への関心が働くか。


……それを、身を以て、実感してもらうために、ね。


ニパ子を出したって。
くまモンを出したって。
既存の好感度バリューが MAX なんだから、そりゃ食い下がるでしょう。


萌えキャラ。
ゆるキャラ


『マスコット興し』(キャラクター興し)って、何のためにヤるの?
何の関心も無いヒトに、初めて興味も持ってもらうための糸口のため、でしょう?


その理屈の『何の関心も無いヒト。』の側に、立ってもらったワケです。
めがみめぐり』と云う商品の「興し」【宣伝】を例に挙げて、ね。


……そして、生々しいほどに実感したでしょう。



何を言われても、興味が沸かない。



……そう云うコトですよ。



※ ※ 【 4 : 『 Q 』】 ※ ※ 


……じゃあ、さ。
……結局、どうすれば良いの?



逆。



先に、最初に、それを考えてから、その後で立ち上げるモンです。そもそも。
「マスコットキャラクター」ってのは。


「まず、モノを用意しよう。とにかく始めてみよう。」
「大丈夫!続けているうちに見えてくるよ!自分を信じて!」
「ボクらが応援してるから!一人じゃないから!」
「努力は必ず報われるよ!努力は無駄なんて言ってる人は、無視して良いよ!」


……、的な。
……、で。
……右も左も分からなくなって、取り敢えず、成功者の真似をして。
……進めなくなる。戻れなくなる。



※ ※ 【 5 : 「窮」に「灸」して「救」する。】 ※ ※


「マスコット」(身体)で、ツカむ。
「キャラクター」(心)で、伝える。


それだけじゃない。
それらを、活かす。魅せる。……(技)。



心・技・体。



この三つ、ですよ。
ええ。解かってるつもりでは居るでしょうけれど。
……みんな『技』ばっかり求めるんですよね。なぜか。


絵、や、着ぐるみ、を、準備すれば「身体」は完成したと思い込んでる。
それっぽい口調や素振りを意識して振る舞えば「心」が入ったと思い込んでる。
……で、『技』一点を求める。


違うよ?
心・技・体。……その全てが整わないと、崩れるんだよ?


「キャラクター」としての『心』。
それを上手に活かして見せるための『技』。


……その前に、もう一度。
……改めて、考えてみませんかね。


「マスコット」としての『体』。


……その見た目は、本当に、誰かに何かを伝える天性を持っているのか?
……何も知らない人に向けて、見た目だけで人目を引く「マスコット」の役割を果たしているか?


そこの所で躓いてる、そんな感じがします。
今の、日本の『キャラクター』と云う文化コンテンツ、は。
……『マスコット』と云う単語を深く考えず『キャラクター』一傾に在りき、の、状況は。