10 : 25 : 5 。

ポンサミ案件です。
今、萌えキャラのファンの人々の間に起こっている、静かな危機の話。
……いや。
……いつの時代にも、どの分野にも、安定的に発生する宿命的命題でもありますケド。
……萌えキャラに限らず。




※ ※ 【1:40人の中の、5人。】 ※ ※ 



今、あなたは、夢を見ています。
今、あなたは、小学生だと想像して下さい。


あなたが居るクラスの人数は、40人。
ある木曜日の五時間目、天気は晴れ。気温そこそこ。風は、そよ風。
臨時ホームルーム、と云う事で、好きな様に時間を過ごして良いよ、と、言われました。


「みんなで、校庭で、ドッジボールしよう!」


誰かの提案に、35人の生徒たちが賛成しました。
……厳密には。
10人が賛成、25人が「イヤだけど断る理由が無い。」と、妥協的同意。


絶対に反対を主張した5人の中の一人が、言いました。


「図書室で本を読みたい。」


……はい、ストップ。
……あなたは。


・絶対に、ドッジボールがヤりたい、10人。
・どーでも良いけど断わる理由が無いから付き合う、25人。
・絶対に、ドッジボールをヤりたくない、5人。


……どの生徒ですか?


ええ。
ここまでに、あなたの行動スタンスを誘導する設問は、何も無い。
……一種の、心理学です。
……無意識的な本心は、あなた自身の中にある。




※ ※ 【2:「みんな賛成してるよ!」〜ありふりた、多数決〜。】 ※ ※ 



上記。
「絶対に、ドッジボールをヤりたくない、5人。」は。
……では、どう行動するべきですか?


・クラスの強調と『和』が大事だろ。一緒にヤれよ。
【 = 体育会系の集団脅迫的な、同調理論。】


・なんで無理に我を通してまで、余計な波風を立てるのさ……。
【 = 典型的な「事無かれ主義」による、思想放棄の流され人生。】


・少人数でも、一人一人の意見を大切に!
【 = 『数が少ない方にこそ「権利の保障」を!』的な大義名分の、マイノリティ優遇の強要。】


……、ね?
どれを選んでも、社会学的に「……どうなん?」って思われる。
そう云うレトリックを、仕掛けてます。


あなたが賛成派で、反対派を説得する側にしても。
あなたが反対派で、賛成派を説得する側にしても。
あなたが中立で、どーでも良いからさっさと片付けろよと「逃げてる」側でも。
……どれを選んでも、言葉の罠に引っ掛かり、後味が悪くなる。


……あれ?
……不思議そうな顔をしてますね?
……無いですか?この手の経験?
……むしろ、中学校、高校、大学やら就職やら、どこに行っても振り回されてませんか?


人生、って、そう云うモンだと思いませんか?




※ ※ 【3:「ファン活動」の集合心理学。】 ※ ※



さて。
どのクラスタ(ジャンル)のファンであれ、往々、出くわす問題ですよね。


多数決に流されて、在り物を、そのまま受けてれりゃ、みんな幸福なのに。
敢えて、少数的な意見を持ち出して、ファンの多数決に疑問を主張する層がいる。


大抵、そう云う場合。
相手にもされず、多数決の多い方が大声を出して、少数の声を掻き消すのですけれど。


ドッジボールをヤりたい 35 人が、5人を無理に連れ出して。
『40人、みんなで<ドッジボールして、ハッピー・ゴー・ラッキー!』……、的な。


ええ。
それが、公共性です。
それが、資本主義です。
それが、一般社会学の通念、と言うか、常識です。


とどの詰まり。
「数の多い方が社会を牛耳るので、数の少ない人たちは黙って我慢して下さい。」
……と、まぁ、何ともヤる瀬の無い話は、どこの世界にもあるワケで。


数の少ない人たちは、今日も、自分の本意や希望を我慢して、多い方に付き従うワケです。
……数の少ない方には、発言権は無い。
……みたいなコトを云われても、それを覆す事ができなくて、ね。


分かりますか?
『数の少ない方は黙れ、数の多い方に従え。……それで、上手くコトが運ぶ。』


この、暗黙の不文律。




※ ※ 【4:……そして『数の少ない方』は、つぶされる。】 ※ ※



数が少ない方には「数の少ない方なりのヤり方。」と云うのが、あります。


ドッジボールの例を挙げた、絶対に反対派の、5人。
学年主任の先生、または、図書館司書の先生、などと相談して。
図書館を開放してもらい、5人は、本を読むコトになりました。


これを、正しいと見るか。
これを、まちがっていると見るか。


……そんな話は、どーでも良いんです。
……「学校教育心理学」だの「個性尊重教育」だの、まったく論旨の異なる話ですから。


今の論旨は『集団心理学』に於ける「異端的な少数派。」の行動力学です。


ここまでの、モヤモヤした読後感を、踏まえて。


結論。




だから、萌えキャラは負ける。数で。





……はァ!!!!?!(憤怒)


……。
……。
……。


ええ、そりゃそうでしょう。
論理の飛躍にも、限度ってモンがあるでしょう。(笑)


でも、そう云うコトですよ。


・数の多い方に組みするなら、萌えキャラを配さぬ大きい所(企業・自治体)の圧倒的勝利に睥睨する。
・数の少ない方に組するなら、萌えキャラは「異端的少数」として蔑視される。


日本全国の萌えキャラのファンのアクティブユーザーを、暫定、 100,000 人と仮定しましょうか。
その中に、1000人ぐらい「萌えキャラファンの一般論」に異を唱える異端の人々。
……さて、10,000 人は。
……その100人の異端を、どうしますかね?
……無視?
……説得?
……妥協的協調策の模索?(多数決優遇、的な、少人数配慮。)


はい。視点を変えて。


日本の総人口を、100,000,000 人と、ドンブリ勘定して。
その中に、100,000 人ぐらい「今の日本の都市集中政策」に異を唱える異端の人々。
(そう、あなたが組する『人々』ですよ。)
……さて、100,000,000 人は。
……その100,000 人の異端を、どうしますかね?
……無視?
……説得?
……妥協的協調策の模索?(多数決優遇、的な、少人数配慮。)


少人数で、大人数に、勝つ。
そのための将来的な応援戦略、考えてますか?


『数の多い考え方に従えよ、波風を立てるな!数の少ない方が我慢しろ!』
その考え方によって、本当に最終的につぶされるのは、誰???


今、萌えキャラのファンの人々の間に起こっている、静かな危機の話。


簡単な結論ですよ。


あなたの大好きなものが、多数決によって潰される、その仕組みを理解していない。
仕組みを理解していないから、対策を練るコトができない。


……多数決の仕組みの理解、少人数が多人数に呑まれない勝負の仕方。
……その研究が、ファンの間に急がれる。