だえもにあ…

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ダエモニア
ヒトの心の
闇を喰う


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テレビアニメに於ける監督の「スタッフ・バリュー」って、どんなモンなんですかね?
スタッフ・バリュー。
例えば。
「『エヴァ』の庵野監督が仕切ったから、どーこー。」みたいな。
「『ARIA』シリーズのサトジュンが仕切ったから、どーこー。」みたいな。
「シャフトの新房監督が仕切ったから、どーこー。」みたいな。
ジブリ宮崎駿監督が仕切ったから、どーこー。」みたいな。


極論、突き抜けて、露骨に「スタッフ・バリュー」の影響が具体化した事例。
ブランド・バリューと云うか、企業バリューと云うか。
ゲド戦記』。
ジブリって大看板を掲げても、宮崎吾郎さんのスタッフ・バリューによって酷評されたりして。


えーと。


いぬかみっ!』とか『カンピオーネ!』とか『セキレイ』で監督を努めたヒトの話。
……この時点で「ふーん。」って感じでしょう?


DOG DAYS』やら『アスラクライン』やら、今期『ロリきゅーぶSS』やら。
……と、説明すれば「おー!」(袴田ひなた、っぽく)って興味を示すヒトもいるかしら。


なんと、『リリカルなのは(A's、SS)』の監督だったそうで。
……と、説明すれば「……ッ!?!?」ってなるコトでしょう。


まぁ、そもそも論として。
迷い猫オーバーラン』と『女子高生』を『なのはAs』の監督が手掛けた、とか。
その時点で、すでに、ブログコンテンツとして話のオチが付いている感もあるのですが。(笑)


ここまでの、一連の濃い話が「話のマクラ」。
リリカルなのはAs』が神評価だけど、監督さん自体は注目されてないのね、……って話。


幻影ヲ駆ケル太陽


一見、なんか、ものすごーく、難しい話にも見えるのですが。
本質、『ドキドキプリキュア』と同じコトをやっているだけ、だったりして。(笑)
……そのつもりで見ると、割りと、サラッと物語の世界に入り込めます。


ヒトの心の闇、ネガティブ、苦悶、ジャネジー、などなど。
そう云うモノに、ジコチューだか、ダエモニアだか、その手の「怪異」が憑依して。
……で、それを、美少女ヒロインが、やっつける。
……二作に於ける「事後の、被憑依者の、死生観」は、とりあえず度外視。
(ドキプリでは正常に回復する、幻ヲ太陽では死ぬ。)


奇しくも。
今期『ドキプリ』も、小アルカナ (4×13)枚 を基軸とした、トランプベース。
『幻影ヲ駆ける太陽』は、言わずもがな、大アルカナ 22枚 を基軸とした、タロットベース。


……どっちにしても、占具としては。
……人を救うには、中途半端なシロモノですが。(笑)


トランプは、通常、(正規の)小アルカナすら形成していない、紛い物なので。
中途半端な敵に対して、中途半端なアルカナフォースでも破綻の無いドラマを展開できるですが。


タロットは、往々、(正規の)大アルカナに則して安定的に形成されるので。
占者がガチのアルカナフォースを駆使する分、敵もガチで乗り込んで来ます。


……、っても。
……正位置と逆位置により、22枚一組で、陰陽明暗にして正逆表裏の「二極の真理」を穿つ占具。
……それをさらに、わざわざ「正義のタロット」と「悪のタロット」に多分化する、とか。
……計44枚のカードが飛び交い、占術としてのアルゴリズムが完全に破綻してる気が。(笑)


まぁ、『リリカルなのはAs』の監督さんだしね。
タロットカードを武器としてしか考えていないのであれば、それも良し。(笑)
ただ。
最終的に、タロットカードの運命論と照らし合わせてドラマツルギーを構じる、と、なると。
ドラマツルギーの土台にタロットカードを意識した気概は、第一話の時点で崩壊している。
「今までに無いテーマで、奇をてらって、ウケを狙いたいだけでしょ?」としか、伝わらない。


うーん。


いぬかみっ!』や『アスラクライン』のヒトのアニメです、って、説明されれば。
……「へぇ。」みたいな感じで、すんなり楽しめるですが。


リリカルなのはAs』のヒトのアニメです、って、説明されたら。
……もっと、こう、どーにかならないモノかと印象が酷に傾く、この不平等な自己評価感覚。(笑)


監督のスタッフ・バリューに踊らされて、この作品の本質が見えない。
逆に云えば。
それだけ、中身が無い、……ってな、シビアな事実の裏返しなのかも知れませんケド。