さいばん…

   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


また、一人・・・
愉悦の死地に
逝き急ぐ・・・


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好きか、キライか、と、問われれば「キライ」です。
……、が。
面白いか、つまらないか、と、問われれば『面白い』です。


他意も、深意も、悪意も、無し。
ポジティブに、ストレートに、素直に『面白い』です。


ダンガンロンパ。>


「ヒトを殺すコトで触発される、刺激のドラマツルギー」の安売り。


まぁ、アニメに限った話じゃないですが。
例えば、最たる例で云えば、ハリウッド映画なんかでも。
例えば、微々たる例で云えば、日本のお茶の間の小一時間から二時間のドラマなんかでも。
そうやって「ドッキドキのワックワクだよね♪」を、ゴリ押ししてるワケで。


視聴者の興味の食指を引くためなら、仮想殺戮を「是。」とする社会。
そりゃー、仮想と現実の垣根が崩壊して、現実の殺戮が日常茶飯になるって話ですよ。


えーと。
そんな、真面目で七面倒な話がしたいワケじゃなくて。
深夜のアニメの感想ですよ、単純な。


ともあれ、『ダンガンロンパ』。


逆転裁判 + バトルロワイヤル。


……ついでに『フリクリ』に近い、鋭角的なスタイリッシュも感じたのですが。
……『ブラッドラッド』にしても、そうですが。
……単に、色彩の「メリハリ」が濃い、ってだけのデジタル視覚的な錯覚かも。
……『フリクリ』も、結構、暴力的だったイメージが記憶に残ってるんですケド。


ともあれ。


基本的には『逆転裁判』のパクリ、です。
多少、ゲームとして、アグレッシブな操作性なり独自性なりがあるみたいですが。
結局、相手のヘリクツの隙を突いて反論して黙らせる、カタルシス


……、で。
物語の本旨は『バトルロワイヤル』のパクリ、です。
誰かが生き残る、他は、バタバタと死ぬ、サバイバル。


もう、発想の下地が、そもそも論としてのパクリなので。
独自性が無い分だけ、制作社のスタッフの心意気が、薄い薄い。



薄いんです。
つまらないんです。
……でも。
……『面白い』んです。


何、この自己矛盾。


えーと、ね。


パクリ上等、二番煎じウェルカム。
「コレを作った奴は、根っから、地金で勝負する気が無い」って承知して。
「パクリの産物」として開き直って見てみれば。
……そりゃ、残酷で、凄惨で、反吐が出るほど胸糞が悪いけど。


緩急のバランスが絶妙で、テンポが小気味良い。
ハイスピードで、ガンガン攻めるだけじゃない。
しっかり、文脈を『止める。』まで流れを考えて作られているのが、スゲェ。
……そりゃ、もう、マックス・スピードからの完全急停止だから。
……「ぅおっとっと!」って、見ていて、つんのめりそうになります。
……その辺の、文脈のスピード感のデタラメなメリハリが『面白い』。


このアニメの最大の肝、惨殺の場面に関しても。
倫理的には、多大な不快感を抱く反面。
感性的には、なかなか芸術的な演出だな、と、感服の念も感じつつ。
「恐怖感」と「怖いモノ見たさ」を揺さぶる、絶妙な、視覚的バランス。
……『死』をスタイリッシュに演出して、娯楽刺激としてポジティブ化されるのはイヤですが。
……ネガティブを逆手にとって、毒々しさを魅力に変えてしまう、不思議な錯覚も感じつつ。


なんだろう。
総括すると。
見ていて、とても、頭の中が忙しいアニメです。


どちらかと言うと、ボクは、頭の中をカラッポにして見る作品の方が好きなのですが。
(自今のクールだと『きんいろモザイク』的な、典型的な萌えアニメ。)
(登場人物の相関に複雑なウラオモテが無く「見たまま、そのまま」の単純な関係が好き。)


たまには、毒も、悪くないかな、……とか。
「キライ」と言いつつ『面白い』に揺らぐ、自分の心のアンバランスが、何とも言い難い。