あまてらす…

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茨木の
鬼を屠った
キンタロウ


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『竜宮城』には「乙姫」ってな城主が鎮座していて。
夜な夜な、酒池肉林、海鮮珍味の大酒宴にトチ狂っていたりするそうですが。(笑)


「乙姫」。
……パッと、イメージしてみて下さい。
……海の底を根城にする、妖艶なる、半魚半妖の淑女。
……素っ裸に剥いた時、その下半身は。
……ヒトの姿を模した二肢(両脚)ですか、それとも海洋生物っぽい尾ビレですか?


ね?
そもそも、まず。
「乙姫」がファイナルヌードを披露する状況を妄想するのが、難しい。(笑)


まぁ、バカな与太話は、それとして。
各種ゲームにも、キャラクターとして「乙姫」が登場する機会は多いのですが。
そりゃ、棲まう城の名前が『竜宮城』なのだから、当然と云われれば、当然なのですが。
改めて云われてみれば、不思議だなぁ、……と、思ったコト。
一番最初の二次出典(アンソロジー)が、どれなのかは分かりませんが。
以後、「乙姫」を、何らかの形で借用する場合。
その属性は、他聞に洩れず「龍」「竜」の手合いに属されるんですね。
(当然「ドラゴン」も含む。)


龍、竜、ドラゴン、……の類、ってのは。
相応以上に魔力が長けていて、易々と「人化」が可能です。
近例だと『まおゆう』にも有りましたね。
懐かしい例だと『スレイヤーズ』でも「竜族の『人化』」は普通に使われてます。
ドラゴンクエスト』(一作目)の、りゅうおう、とかね。
DQでは、後に、五作目などで、マスタードラゴンも「人化」していたりする。)


それは、それとして。


最近、各所で見掛けるバナーに、気になるモノが転がっていまして。


茨木童子(人化、萌え化、美少女化)


……また、随分と、ローカルな御当地モンスターを引っ張り出して来たもんだ。
……と、思ったら。
……『女神転生』でも採用される、その程度の格はある、由緒正しい仲魔だそうな。
……少なくとも、上記の乙姫と互角の社会的認知度がある、と、認められているらしい。
大阪府茨木市民だけが知ってる、みたいな、ローカルモンスターでは無いらしい。)


調べてみたら、ものすごく、七面倒なソーシャルゲームに辿り着いたのですが。
(気になるヒトは「鬼斬」「茨木童子」「静御前」で検索。)
(「オンラインゲーム」「鬼斬」で検索すると、総本山の本家に辿り着ける、……か?)

いや、待テ。
静御前、て。


チラッ、と、さり気に、紹介しましたけど。
簡単に説明すれば、日本の古代史をモチーフにした「萌えゲー」なので。
それっぽいキャラクター、が、色々と登場するっぽいです。


静御前
義経
・ミロク。
・かぐや。
茨木童子
スサノオ
・あまてらす。
・モモタロウ。


……まぁ、なんだ。
……ツッコミ所は、山ほどあるですが。(笑)


取り敢えず。
・ミロク、……って、誰だ。
・この血気の盛んなメンバーに混じって、かぐや姫に何が出来るのかと。
・なぜ、天照大神(あまてらす)は、平仮名表記で幼児性を誇張する。
(ロリ需要に応えるためのサービスモチーフに、なぜ、天照大神を抜擢?)
・つーか「スサノオ」「あまてらす」を、「義経」「静御前」と同格で扱うか。


そもそも。
ベースモチーフの土台の礎石は、誰なのか、と。
(仮に、いずれアニメ化されるとしたら、誰が主役を張ってストーリーを進めるのか。)


例えば、モモタロウ、が、主役なのだとしたら。
かぐや姫については、まぁ、分かるとして。
往年の名作RPG桃太郎伝説』でも、浦島太郎や金太郎と組んでたし、ね。
でも。
他のメンバーの必然性のバランスが、崩壊してる。


土台、『古事記』の類と、『源氏物語』の類と、『御伽草子』の類を。
同種同格で、一つの鍋で一緒に煮てしまおうって発想が、無茶。(褒め言葉。 / 笑)
……まぁ、こうした「神話や、寓話や、民話の、寄せ鍋」の企画モノってのは。
……『女神転生』とか『遊戯王』で、普通に、ヤられてる事なので。
……それについては「ネタとして、ツッこむ」以上の異論は、何も無いのですけれど。


ネタを飛び越えて、ちょっとだけ、ガチで気になったのは。
やはり。
茨木童子


つーか。
なぜ、酒呑童子をディスってまで、敢えて、茨木童子にこそ白羽の矢を立てた。


酒呑鬼にしても、茨木童子にしても、どっちも、京の都を脅かした鬼神の手合いです。
双方、後に改心して、民衆の下支えとなった、……との異説も背負う存在なので。
「鬼のクセに鬼を斬る」、逆説正義として登用されても不思議は無いです。
……否、それはそれとして。
……酒呑鬼が率いる軍勢の中の一人の優秀な部下、として、茨木童子が存在するワケで。
……その上位たる酒呑鬼よりも、敢えて、下位の茨木童子にウェイトを置いたのが、不可思議。
……絵師が北摂地域(大阪府北部、京都府南部)のヒトで、御当地愛ってんなら、分かるケド。(笑)


つーか。
そこまで、何かしら、深い、理由なら「コダワリ」なりがあるのなら。
ミロクを外して、キンタロウ(坂田金時)を入れたら、どうよ?
スサノオ」と「あまてらす」。
静御前」と「義経」。
……みたいな感じで、さ。
……茨木童子にも、鏡反的な対等存在が居るんだから。
……酒呑童子よりも遵守する、ってんなら、そこまで考えても良かった気もしつつ。


スサノオ」と「あまてらす」は。
わざわざ、ゲームの異質性を誇張する目的で、強引に引っ張り込まなくても。
「浦島太郎」と「乙姫」でも良かったんじゃないかなぁ、……とも思いましたけど。
総括的な日本史の娯楽化、として、幅を広げる役目なら『古事記』出典もアリなのかなぁ、と。
浦島太郎と乙姫、は、微妙に、鬼とは因縁の無いですし。


売り手が、どの客層に、何を売り込もうとしているのかが、微妙に読めません。
こんな、ショボいギャルゲーに費やす時間があれば。
この手の百鬼夜行の妖怪ゲーを好むヒトは、『女神転生』に貢ぐだろうし。
……っても、最新作までの発売には、まだ、ちょーっと時間が掛かるし。
……こっそり発売された「ソウルハッカーズ」も、そろそろ飽きてきた頃だし。
……その間の間ツナギとしては、楽しめるのかなー、……とか。


まぁ。
鬼斬』は、ジャンルとしてはMMOなので。
女神転生』みたく、ガチのRPGを求めるヒトとは、完全に、客層が違うですケドね。(笑)
安倍晴明蘆屋道満、とか。
弁財天、毘沙門天、とか。
いずれ、キャラが増えるとして、そんな感じで更に幅が広がるのだとしたら、面白そうです。