ほこ…
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『盾』を穿つ
『矛』には『矛』の
美学あり
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まずは、先日のオサライも兼ねて、状況説明。
『ローズクイーン・コンテスト』(町内美少女コンテスト)で優勝を狙う、ドキプリチーム。
……が、しかし。
……その眼前に、凛として、燐と立ちはだかる、大輪のバラ。
五星財団の御息女、五星麗奈さま。
四葉財閥とは因縁の浅からぬ関係にある、財界のアレコレ。
殊、四葉ありす嬢に対しては、異様な執着と盲執を抱いている様で。
双方、おなじ宿命を抱く者が惹かれ合うシンパシーなのか、あるいは、ただの近親憎悪か。
……麗奈さま、も、ありす嬢、と、対を成す「超」が付くほどの残念セレブ。(笑)
<ドキドキプリキュア!>
改めて、四葉ありす嬢の宿敵にして好敵手、五星麗奈さま。
まずは、いかにもアレな、その見た目。
今どき時代錯誤の、ド金髪の典型的なタカビー。
……ィャ、アナタじゃなくて。(笑)
『盾』の四葉ありす嬢とは対を成す、『矛』の如き性格。
自分がコレと決めた事には、猪突猛進、一点突破。
もちろん、自分が勝者となるコトを前提として物事をゴリ押しするタイプ。
……オマエじゃねぇ、座ってろ。(笑)
まぁ、なんつーか。
「おーっほっほっほ!」とか笑う、ド金髪の縦ロール……、と、説明すれば。
漠然と、ビジョンの想像はできますよね?
……まさに想像通り、典型的なステレオタイプの「お約束」です。(笑)
ええ、「おーっほっほっほ!」とか笑うだけあって。
見た目どおり、頭の中もバラの花園です。お花畑です。
レイナ「私は五星、ありすは四葉。……これで、お分かりになるでしょう?」
マナ「ィャ……何が言いたいのか、よく分からないんだけど。」
レイナ「ふんっ、これだから庶民は困りますわ……」
六花「だから、何なの?」
レイナ「私は五星、ありすは四葉。つまり、私の方が1つ上回っているのよッ!?」
まこぴー「…………で?」
ええ、もう。
何か喋れば、万事、こんな感じです。
事あるごとに、マナ、六花、まこぴー、を「庶民」と誹る。
高飛車、と云うより、ゴキゲン中飛車を地で行く『矛』。
居飛車の三間飛車で『盾』に徹する、四葉ありす嬢とは、正反対。
まぁ、そんな感じで。
パッと見れば、ただの馬鹿なのですが。
…………、なのですが。
『ただの馬鹿』なら、そもそも。
四葉ありす嬢は、五星麗奈さまを相手になどしないワケで。
五星麗奈さま、とは、相応の中距離を図りつつ。
その表情は、空虚な愛想の笑顔すら見せる余裕も無く、真顔の警戒色。
そして。
防御に徹するしか侭ならない、四葉ありす嬢に対する、麗奈さまの「嘲笑」。
ええ。
『ただの馬鹿』だと思われた、ありす嬢の友達を「庶民」と誹る、罵詈雑言。
それこそが、五星麗奈さまの『矛』であり。
四葉りありす嬢の『盾』をも穿つ、宿敵にして好敵手たる容赦無用の、妙手。
レイナ「ありすは、ね。友達を侮辱されると、我を忘れてブチ切れるのよ……♪」
ありす「……だから、わざとマナちゃん達に対して、ああやって『悪口』を言うんです」
……双方の言葉尻だけを見れば、麗奈さま、は。
「えげつない、腐れ外道」以外の何者でも無い、性格破綻者の最低オンナ、なのですが。
……言葉の奥底の心理まで鑑みて、麗奈さまを分析すると。
好敵手、だからこそ、勝つために全力を賭すコトこそが、礼節であり忠義。
そのために使う手段が「友達を人質に取り、真綿で首を絞める」ってのは、アレですが。
完全無比にして堅牢強固、そして、攻防一体の『盾』である四葉ありす嬢、を。
策謀の『矛』を駆使して、確実に、攻め陥とすべく、本気で挑む。
……それは、ただの「姑息な、卑怯者」なのだろうか、と。
……だとしたら。
……四葉ありす嬢は、こうも本気で、五星麗奈さまと対峙しただろうか、と。
逆に、云えば。
四葉ありす嬢に「本気で対峙して差し上げますわ」と、云わせしめる程の、猛者。
その武道兵法には反感もあろうが、ありす嬢は『矛』として認め、『盾』を構える。
「矛盾」。
互い、決して、相容れぬ者同士が織り成す、二律背反のシンパシー。
そもそも。
難攻不落の、四葉ありす嬢の弱点を、的確かつ確実に穿つ、その時点で只者では無い。
正攻法では勝てぬ、と、外道に狂って、策謀に興じるのは、考え物ですが。
「外道に狂って、策謀に興じる」コトこそが、『矛』としての誠意であり。
それが、友情パワーによって打ち破れたコトにより、ジャネジーの種と化した。
ええ。
ただの馬鹿の小悪党なら、そのチープな自己顕示欲は、ジャネジーと化すコトは無い。(笑)
ジャネジーと化した、と、云うコトは。
かなり、ガチで、真剣で、本気な、(負の)真意だったワケで。
そう云えば。
『ストリートファイター』の春日野さくら、の、宿敵にして好敵手。
神月かりん。
このヒトも赤ドレス、に、ド金髪の縦ロールで「おーっほっほっほ!」キャラ。
……当然、その見目に相応しく、なかなかの「残念系お嬢様」なのですが。(笑)
そんな、神月かりんの超必殺技の一つ。
『神月流、神扉開闢』。
相撲の四股をベースとした、突進乱舞系の多段ヒット技、……なのですが。
神扉を開闢するほどの、突貫力、と、攻撃力。
あるいは、格闘技として決まれば、四葉ありす嬢の『盾』をも砕く、やも知れぬ。
五星麗奈さま、も。
心を改め、正道を極め。
例えば、神月流に類する、何がしかの「武道の嗜み」を身に付ければ。
それこそ。
春日野さくら、と、神月かりん、みたいな感じで。
四葉ありす嬢、と、真の好敵手として、善戦を繰り広げるのでは無かろうか、と、思う。
現時点では、心の鍛錬が未熟で、故に、外道の卑劣にトチ狂ってしまったワケですが。
その奥底に秘められた、自分と対を成す武神としての、未知の可能性。
……五星麗奈さまの奥底に深く眠る、羅刹の胎動を。
……修羅道を極めつつ一度は道を誤った、四葉ありす嬢だからこそ、感じたのかも知れない。
今の、五星麗奈さま、は、道を違えて迷っている、かつての自分であり。
自分が正道を見出して、『盾』として、修羅の覚醒を果たしたのと、同じく。
彼女も正道を見出して、『矛』として、羅刹の覚醒を果たす刻を、待っているのかも知れない。
だからこそ。
外道の卑劣で、木っ端で、最低の「ステレオタイプの悪役お嬢様」を。
まるで武人が武人を見る眼で睨み据え、全力で対峙するのだろうなぁ、……とも、思いつつ。
まぁ、でも。
「残念系お嬢様」の同志として、互いに、キズを舐め合ってるだけ、ってのが。
存外、実際の所なんでしょうけど、ね。(笑)
今どき、時代錯誤のド金髪の縦ロールで「おーっほっほっほ!」とか笑う。
典型的な、使い捨ての、噛ませ犬キャラを相手に。
全力で挑み掛かり、ガチで『勝ち』を狙いに掛かる、四葉ありす嬢の動向が、不思議でした。
……そして。
……ガチで『勝ち』に掛かる四葉ありす嬢を、そうそう簡単には勝たせない。
……五星麗奈さま、やはり、ボクは「ただの卑怯者の小悪党では無い」と思います。
攻めの三間飛車、『盾』の修羅、四葉ありす嬢。
……そんな、最強無比の武神と、互角に、相対するコトが侭なったのは。
守りの高飛車、『矛』の羅刹、五星麗奈さま。
……やはり、同等互角の武神の持てるポテンシャルがあってこそ、成せる業。