ばくまん…

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(『REVERSI』の)アニメ化が
決まってからが
また、長かった…


字あまり。


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素直な感想を、スッパリと言い抜くと。
「無駄に、長い。」
……その、一文に尽きるのですが。


では、キライか、好きか、と、問われると。
「好き。」
……その一語に落ち着いたのが、何とも不思議な、読後感。


平べったく云えば「リア充爆発しろw」的な、超王道の、ベタなラブストーリー。(笑)
そこに、現代風の、ロマンだか、夢だか、その辺のスパイスも加味しつつ。
「信じてヤれば、夢は、叶う」なる大人の理想論の押し付け、胸糞が悪いのですが。
……否。
……「マンガやアニメなんだから、ご都合ハッピーエンドで良いじゃん」って視点で見れば。
……冗長が鬱陶しい、その点だけは不服ですが、総合的にはステキな作品でした。


あぁ、何かに似てると思ったら。
『タッチ』に近い、この読後感。
「色々あったけど、ようやっと繋がった、二人の恋心」の、淡い、感動。
……と、云うよりは。
「話を引き伸ばすために、わざとらしいアクシデントを、付け足し過ぎ」、的な。(笑)


バクマン。


カードキャプターさくら』も、似た様なコンセプトで。
無駄にアクシデントを増発させて、ダラダラと恋愛譚を長引かせていたですが。(笑)
カードキャプターさくら』と、決定的に、異なるのは。
やっぱり、物語の主軸が、一応は『現実的』を意識した構成だからかなぁ、……と。
それとも、登場人物の年齢層が高いから「ふーん。」って、魅力が萎えただけの話か。


重ねて、言いますが。
「信じてヤれば、自分の理想の未来を掴める」って御題目には、反吐が出ます。


例えば、1000人の中学生や高校生を、呼び集めて。
その内、何人ぐらいの中学生や高校生が、将来的に25才を超えた時。
自分のヤりたくもない仕事に腐り、その気も無い恋愛に慰められているのか、と。
『現実的』ってのは、むしろ、こっち側の観点だと思うワケで。
夢を叶えて、自分の人生に意気を感じて充実できるヤツなんざ。
「事実上、居ない。」とも言えるレベルで、ほんの一部だけだと思うんですよ。


それでも。
幸せになるコトは、可能なワケで。
「自分が目指した未来とは違うけれど、今の自分は、不満もあるけど、充実している」。
上記の1000人のうち、893人ぐらいは、そんな人生だと思うワケですよ。


プロのマンガ家になりたかった、けど、今はケータイ電話の斡旋をしてます、とか。
プロの声優になりたいから、チャンスが来るまで、コンビニのレジに立ってます、とか。


その辺の、夢から外れたモブの人生観を、完全に無視してるのが。
成功前提のサクセス・ストーリーのラブ・ロマンス、ってのが。
どうにも、受け付けない、……とは思いつつ。


難癖や、イチャモンばっかり付けていても、しょうがないので。(笑)
一点。
これに関しては『バクマン。』を、神作品だと認めざるを得ない、功績。


早見沙織さん、が、ものすごく、素敵な演技をしていた。


ええ、『ラブプラス』の高嶺愛花ですよ。
ボクは『ラブプラス』にハマってるから、評価がヒイキに狂ってるんでしょうね。
……、とか。
……そんな感じの、ファン意識の、歪んだ好評フィルターが掛かってるのかな、なんて、思いつつ。


でも、ボクが感じたのは。
どちらかと云うと、逆、なんですけれど。


逆?


ええ、逆。


高嶺愛花、に、早見沙織さんが布陣された意味が、分からなかったんです。以前は。
……正直。
……声優さんに魅力を感じなかった、だから、マナカには見向きもしなかった。
……と、説明しても良いぐらい、眼中に『無かった』んですよ。以前は。


…………で、惰性とノリで『バクマン。』を、ずっと、見ていて。


少しずつ、少しずつ、感覚が変化したんです。
高嶺愛花に対する、イメージが。
早見沙織さんに対する、印象が。


どう、説明すれば良いのかなぁ。
ほら。
丹下桜さん、とか、皆口裕子さん、とか。
声優として、過去の仕事のポジティブ・アドバンテージが、ものすごく、大きくて。
それが、リンコやネネさんの高感度を左右する部分、って、やっぱりあったんですよ。
……、で、
早見沙織さん、が、その「過去の仕事のポジティブ・アドバンテージ」に、追い付いた。
丹下桜さん、皆口裕子さん、ぐらい。
声優としての職歴が、過去の仕事が、今のキャラの魅力にも転換される術を身に着けた。
……とか、そんな感じの激変だったんです。
……『バクマン。』を介して、早見沙織さんを見ていて、感じた印象が。


うん。
マナカの声に心を奪われる、マナカレの気持ちが、今なら、分かる。
マナカの声に心を奪われて、そこから、マナカの彼氏になる道理も、納得できる。
……それぐらい、高嶺愛花の声は。
……それぐらい、早見沙織さんの『声』は。
……魅力的なんだなぁー、って、実感した。


ゴタクが、長々と、続いちゃました。
結論は、できるだけ単直に、一文に集約します。


バクマン。』を観て、早見沙織さんの声が、好きになりました。


声優の「好き」「キライ」って、やっぱり、理屈じゃなくて感覚なのね。
改めて、実感。