とうじつ…

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今日、買った
バレンタインの
チョコレート。


今日、食べるのは
「有り」か「無し」か、と。


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過去の多数決主義が、数の暴力にモノを云わせて『常識』と勝手に決めた不文律、を。
過去を知らない新世代が「バカバカしい」と、鼻で笑い飛ばし。
自分たちの価値観を優先的に考えて、新時代の不文律を擁立する……、と云う風潮は。
古今東西、老若男女、いつの時代にも見られる光景でして。


のっけから、いきなり難しいコトを書いてますが。
簡単に、説明を差し替えると。


昔の人間が多数決で決めた道理は、ただの群集心理の一元睥睨であって『常識』では無い、と。
そうした資本主義の暗黙の仕組みに気が付く「頭の回転が早い、リベラルな子供」と云うのは。
しらけ世代団塊ジュニア)にも、ゆとり世代(平成生まれ)にも、同等に存在する。
……とか、そんな感じの話。


バレンタインデーが近いです。
そんなワケで。
どこもかしこも、バレンタイン商戦を意識した、チョコレート商戦が躍起の自今。


否。
「オンナがオトコにチョコを押し付ける」とする、一元的な妄信と云うか。
昭和中期・後期の高度経済成長期やバブル期の幻想が、崩壊して久しい自今。
チョコレートを授受する相手は、女性×女性でも可、と云うのが、最近のトレンドなのですが。


なのですが。
じゃあ、男性×男性、は、どうなのよ?
……なんてコトを、今まで、一度も考えたコトが無い自分に、気が付いたエピソード。


ですよね。
絵空事(ゲーム、マンガ、ラノベ)の世界では、男性×男性の議事恋愛が蔓延しているのに。
それを、地で、現実世界に挿げ替えるつもりは無いにしても。
オトコが、バレンタイン期間限定のイロモノチョコレートに興味を示す、ってのは。
普通にあっても不思議では無いハズなのに、なかなか目にした機会が無いワケでして。


いつぞ、つい先日の休日。
別社のスーパーへ、私用にて買い物に出掛けた折。
バレンタインデーの特設売り場に、男子学生らしい数人が、アレコレと物色していたんです。
周囲には、同世代の女の子とか、オトナのお姉さんとか、女性も多かったですが。
女性たちは、男子学生の群れに、何がしか稀有を示すでも無く。
男子学生の群れは、女性たちを意識するでも無く。
まるで、普段のお菓子コーナーみたいなノリで、平然と、売り場を見て回り。
キットカット』や『パイの実』や『きのこの里』みたいなノリで。
いかにも、バレンタインデー丸出しの、お高いチョコや、変り種チョコを、買ってました。


……、で。


今しがた、買ったばかりの、バレンタインデー前提の特殊なチョコレートの数々を。
駐車場の片隅で開封して、シェアして、みんなでガツガツと食べてました。


「美味っ!コレ、超ウマッ!!」とか。
「コレ甘過ぎるやろ、無いわー」「女が食うには丁度なんちゃう?」とか。
「パッケージの見た目は面白いけど、味は普通のチョコやしw」とか。


そうだよなぁ、と。
遠目に見ながら、ボクも、割りと真剣に考えてしまいました。


バレンタインデーの特設コーナーに売られている、この時季にしか見ないチョコ、を。
『ポッキー』みたいに、買ったその日に食べるってのも、アリだよなぁ、と。
いつも売ってるチョコを、いつも買って、いつも食ってる感覚で。
いつも売っていないチョコでも、いつも通りに買って、いつも通りに食うのもアリだよなぁ、と。


女性でも。
男性でも。
誰にあげるでも無く、自分で買って、自分で食う。


無論、バレンタインデー当日まで、温存しておいて。
女性が女性にあげても良いし、男性が男性とシェアしても良いし。


当然、せっかく、年に一度の大イベントなのだから。
女性が男性にあげる、と云う、『常識』がアリなのは、言わずもがな。
(男性が女性にあげる『逆・常識』も、ボクはアリだと思う。世間の大論は知らないケド。)


バレンタインデーの楽しみ方の自由化が、注目されて久しい自今。
しかし。
この年齢になって、平成も二十年を半ばを過ぎて。
今までとは、更に異なる、まったく新しい楽しみ方……、と云うモノを、垣間見て。
目からウロコ、の、驚天動地。


食いたいモノを、食いたい奴が、食いたい時に、喰う。
それは「イベント性」と云うか「お祭り気質」と云うか、そう云うモノを蔑ろにする考え方で。
うっかり、それを容認してしまうと。
お盆にクリスマスケーキ、みたいな、季節感の瓦解に繋がる危機なのですが。(笑)
ただでさえ、大寒の季節に、パイナップルやバナナが並んでいる時代なのに。
これ以上の季節感の瓦解は、日本人の歴史的アイデンティティの危機ですよ。
……まぁ、それは大袈裟ですけれど。(笑)
……ハロウィンにはハロウィンの、バレンタインにバレンタインの。
……その時季、その日、だからこそ、の、「重み」ってのも、大切です。
……それを軽々に無視する、ってのは、やっぱり、どうなのかなー、とも想いつつ。


自分の中で、二律背反。


「良いじゃん。売ってるモノは、食いたい時に、自由に食えば。」
「当日に何かしらのイベントを経て食うからこそ、の、縁起物だろ。」


一概には正解を出せない哲学、ってモノに、久しぶりに立ち会えた気がしまス。