うんめいのわ…
※ ※ ※ ※ ※ ※
運命は
ドーナツぐらい
甘い輪、な。(甘い罠)
※ ※ ※ ※ ※ ※
「ボクには、悪癖がある」。
……ええ。
……無駄に虚勢を張って悪態を吐いたりもしますケド。
……白鬼院凛々蝶さま、ほど美少女でも無いので、赦されざる悪癖でして。(笑)
まぁ。
「無くて七癖」なんて言葉がある通り。
まぁ。
「有っても四十七癖」ってな続き文句が、世間では意外と知られていなくとも。
まぁ。
ヒトと云うのは、相応、色々と、悪くも良くもクセがあるワケで。
その一つ。
7〜47 のクセの中の、一つ。
推理小説やミステリーは、解決編から、読む。
エピローグ直前の、一番、面白い部分。
『水戸黄門』で云えば、印籠をひけらかすシーン。
『暴れん坊将軍』で云えば、桜吹雪をひけらかすシーン。
『古畑任三郎』で云えば、暗転してピンスポットで「……古畑任三郎でした」のシーン。
ただし。
読み違えないで頂きたいのは。
『化物語』で云えば「後日談と言うか、今回のオチ。」では、無い。
……そのラストキャプチャーの、二章ぐらい前あたり。
エピローグ、や、あとがき、では、無く。
事件の解決から動機の判明に至る、物語の佳境の部分。
船越英一朗さんが、海岸の崖っぷちに犯人を追い詰める辺りです。
『相棒』や『名探偵コナン』だと、どこが事件の山場なのか、良く分かりませんケドね。(笑)
ともあれ。
……とか、話題を転換したのは良いものの。
……さて、どこから説明するべきか。
覚えているだろうか、つい先日。
久しぶりに、ミスタードーナツを食べて感動した、……とか云う話。
ィャ、そりゃ、覚えてるダロ。(笑)
では、つい数年ほど昔。
スズメバチから、本気で殺されそうになった、……とか云う話。
その一件は、覚えていらっしゃるだろうか。
そして。
その折、その一件を予兆として、数日後。
図書館で『偽物語(上)かれんビー』と遭遇した、……とか云う与太話。
阿良々木クンの親愛なる妹さんの一人が、囲い火鉢に遭って、難儀する話。
<傾物語>
2012年、9月下旬、某日。
そもそも。
ボクは、その日。
『ぼくのメジャースプーン』を借りるために、図書館へと出向いたワケなのですが。
……ええ、『NEWラブプラス』が発売されてから、半年も過ぎ。
……バグ修正が繰り返されて、現行、Ver.1.2。
……読書週間なんてイベント、もう誰も見向きもしていないだろう、と。(笑)
『ぼくのメジャースプーン』。
『ライ麦畑でつかまえて』を原典原語で読み耽る、あの、小早川凛子が。
インスピレーションで即決した、知るヒトぞ知る、名著(……らしい)。
まぁ、リンカレの端くれとして。
「リンコの秋は、やっぱり、読書の秋だね♪」ってコトで。
一度ぐらいは、真っ正面から向き合って、読んでみようかな、と。
……思ったのですが。
……やはり、リンカレにはリンカレなりのシンパシーってのが、あるらしく。
(ある作品に熱中すると、同じコトを考えるファンが意外と多数派だって現実に気付く、あの心理。)
貸出中、でした。
『ぼくのメジャースプーン』。
厳密には。
ボクが借りようと図書館へと出向いた、ほんの数瞬ほど前に、借りたヒトが居たそうです。
「いつ、返却されますか?」と、問うた所。
「貸出の日時は、今日になってますね」とか云われました。
ザッと見積もって、三週間ほど待ち。
たぶん延長延滞するだろうから、年内に借りられれば御の字。
まぁ、冬なら冬で「読書の冬」でも悪くは無いか、……と。
手持ち無沙汰に、図書館内を徘徊していて。
綾辻行人さんの『Another』を見付けたのです。
ええ、春か夏かにアニメでやってた、眼帯と中二病のアレです。
……『中二病だけど恋がしたい!』じゃ無いよ?(笑)
なんつーか。
分厚いな。
読み応えとしては申し分も無し、アニメにされたのも何かの由縁。
まぁ、モノは試し、とか、読書の秋はコイツで過ごそうか、とか思った矢先。
返却台に、目をやれば。
『傾物語』。
ちょん、と、収まってました。
それこそ、阿良々木暦が初めて八九寺真宵を見掛けた時、みたいに。
所在無く、自分の在るべき居場所を求めつつ、飄々と。
ちょん、と、収まってました。
ええ。
「青春に、おかしなコトは憑き物だ」の、あのシリーズの一環です。
『戯言シリーズ』より戯言が多い、西尾維新センセの代表的怪著の一閣です。
……『戯言シリーズ』は一つも読んだコト無いけどな。(ぉぃ。)
小脇に抱えるには、ちょっと分厚く、かなり重い『Another』を返却台の脇に置き。
まっすぐに突っ立った『傾物語』を、ヒョイと手に取って。
解決編はどこか、と、パラパラと拾い読み。
確か、ボクの記憶が確かなら。
『傾物語』は、八九寺が主役の「お当番」巻。
ミスタードーナツ。
ミスタードーナツ。
ミスタードーナツ。
ミスタードーナツ。
ミスタードーナツ。
なんだ、これ。
誰の「お当番」巻なんだ、これ。
実際『傾物語』を読んだヒトには、伝わるだろうか。
八九寺に抱いた淡い希望、を。
キスショット・アセロラオニオン・ハートアンダーブレードに、無碍に一蹴されてしまった。
あの、何とも形容の難しい、作品の本旨とは別方向の、絶望感。
それを、むしろ嗜虐と感じてしまう、肩透かし。
(……いや。作品内容も、がっつりと「絶望」が物語の主軸ですけれど。)
なんだろう。
数日前に、十数年ぶりに食べた、ミスタードーナツは。
この出来事を未来予知する予兆、……とでも云うつもりなのか?
あのミスタードーナツは、いつぞのスズメバチだったのか?
…………、とか。
取り急ぎ『Another』を、元の場所に差し戻して。
まるで、阿良々木暦が八九寺真宵に抱き付かんばかりに急襲するぐらいの超神速で。
何の躊躇も、何の迷いも無く。
『傾物語』を借りました。
ィャ、そんなに好きなんだったら、買えよ。俺。(笑)
三週間の期間限定じゃなくて、さ。
物理的に、精神的に、合法的に、自分のモノにしてしまえよ。
冒頭に戻ります。
概算 7〜47 に至る、悪くも良くも、ボクの数あるクセの話。
スズメバチ、からの、『偽物語(上)かれんビー』にしても。
ミスタードーナツ、からの、『傾物語』にしても。
何でもかんでも運命的に怪異解釈してしまう、典型的な、軽度の中二病。
別談、恋がしたいとは思いませんケド。
別談、眼帯を常装しているワケでは無いですケド。
でも、さ。
偶然だか、運命だか、何なのか、良く分かりませんけれど。
あると思うのよね。
作中で言及される「バタフライ効果」を、事前に予兆する。
それこそ、言いえて妙な「虫の知らせ」ってヤツが、さ。
ミスタードーナツが、異例の半額セールを強行して。
十年ぶりに、ボクも、ミスタードーナツを食べる機会を得て。
ミスタードーナツが作品の主軸を大きく動かす『傾物語』に遭遇した。
(作中の修羅場だか山場だかの、そもそものトリガーになったのが、ミスド。)
それって、無意味な偶然の羅列が物理的に齎した結果じゃなくて。
『傾物語』で書かれてあった、運命論に類する繋がりの一環だ、と、思った。
……そんなコトを、重々、軽々、考えさせられる一冊でした。