ももくろてい…

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滑り止め
髪に留まる
柘(つげ)の櫛


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この作品は
女の子の可愛さをお楽しみ頂くため、
邪魔にならない程度の
差し障りのない会話を
お楽しみいただく作品です。


おっと、失敬失敬。


じょしらく


何て言うか、何だろう。
けいおん』と『ゆるゆり』を足して『らきすた』で割った、みたいな。


『ポッキー』(お菓子)が大ヒットしたから、……って。
以後、ポッキーっぽい別物が出たけど、どれを食べても不味い、とか。
『コカコーラ』が大ヒットしたから、……って。
以後、コーラっぽい別物が出たけど、どれを飲んでも不味い、とか。


あずまんが大王』のヒットに乗じて溢れた、典型的な、二匹目の泥鰌
……その系統の、萌え四コマ漫画っぽい雰囲気。
(厳密には、四コマ漫画のスタンスとスタイルでは無いケド。)
(「萌え四コマ漫画」と呼ばれる系統の亜流、と説明すればニュアンスが伝わるか)


登場人物の高座名を漢字で書くのは七面倒なので、平仮名で並べますが。


ぶらてい・まりー(デラッディ・マリー。カクテルの一種。)、とか。
はろうきてい・きぐるみ(ハロー・キティーの着ぐるみ)、とか。
ぼうはてい・てとら(防波堤とかテトラブロックとか。消波防潮設備。)、とか。
くうるびゆうてい・がんきょう(クールビューティーの眼鏡。)、とか。
あんらくてい・くくる(「絶望した!」的な意味での首くくり)、とか。


何て言うか、何だろう。
さよなら絶望先生』のスピンオフかよ、このネーミングセンス。
つーか。
『ハイスクール奇面組』の三番煎じ、と、言いたいケドな。


まぁ。
久米田康治センセが、一枚も二枚も作品に絡んでるので。
どこをどうやっても、久米田ワールドになるのはしょうがない、と、云うか。
むしろ、なんでゴーストライターに作画を任せるのだろう、と、云うか。
……ィャ、作画は別人って公開されてるから、ゴーストライターじゃないけど。
……つーか、この場合。
……立場的には「久米田康治」がゴーストライターになるですけど。(笑)
(作品の造形者が作者として表に立ち、作品の原案・原作者が後ろに潜む。)
ゴーストライターの正規の意味だと、後ろに潜んでる原案・原作者は明示しない。)


ウソかホントか知りませんが。
いわゆる、絶望少女達も、カメオだか友情出演だかでオマージュされた、とかで。
久米田ワールドを軸にパロディやオマージュを売りにするのであれば。
素直に、本人が、本人名義で描けよ、……とか思うのですけれど。


オトナの事情が、色々とあるんでしょうね。
わざわざ、ヤスって別人に作画を別任させる、……なんて七面倒な轍を踏む理由に。
久米田康治センセが、久米田康治センセの作品として一本槍に出せない理由に。


ともあれ、落語家、って職種のヒトは。
天真爛漫、天衣無縫、性善説を地で進む聖人君子が多いってイメージですが。
実際、性悪説から善行を学び、生真面目でニヒルでシニカルな人物が多い世界であり。
(ネガティブな感情を「笑い」を介して昇華する事で心に余裕が溢れ、善に興じる暇が侭なる。)


天真爛漫、天衣無縫、性善説を地で進む聖人君子の落語家なんて、当代だと。
先代の林屋三平師匠(今の三平の父親)、か、林屋木久扇師匠、ぐらいかしら。
(悪意に寄りて人様に迷惑を掛けても、良い事なんか一つも無い。)
(悪意に寄らぬ迷惑ならば、掛けても掛けられても笑って済ませるのが渡世の義。)


久米田センセぐらい、機微の洞察に長けた御仁であれば。
なんつーか、もっと「落語」を介した世界観を逆手に取って。
『落語』の奥の深さを無意識的に加味したモノにもなりそうな気もするんだけどなァ……。


この作品は
女の子の可愛さをお楽しみ頂くため、
邪魔にならない程度の
差し障りのない会話を
お楽しみいただく作品です。


その手の「世界観は二の次、とりあえずキャラクターに萌えて下さい」的なモノは。
人生の機微をまるで考えず、ただ絵が上手なだけの素人が山ほど描いてるのだから。
せっかく、自分にしか描けない世界観を持っている実力のある作家なのだし。
その辺の潜在ポテンシャルを、『落語』と云う特異な設定を介して活かせないモノなのかしら。


正直な、個人的、一意見。
冒頭の作品のキャッチコピーを見た瞬間の、ボクの第一印象は。
「ああ、『あずまんが大王』の二匹目の泥鰌狙いですか」でした。
泥鰌を狙ったつもりが穴子を釣り上げた『らきすた』の例もあるケド。
どうせなら、久米田ワールドなら。
泥鰌を狙って鰻を釣り上げる、……ぐらいの破天荒な心意気が欲しいなぁ、と。