ぼんおどり…

   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


腐々の
浮世の憂さは
忘れ去り


踊り狂わば
無心の境地


   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


二度と、繰り返すまい。
太平洋戦争の名の下に繰り広げられた、卑劣なる殺戮と暴虐の連鎖を。
子々孫々、意を改め、人類として地球に共存する意義を真摯に自問する日。
……であるにも、関わらず。


韓国は、韓国で。
日本は、日本で。
一歩でも方向を間違えれば、戦争に繋がりかねない国際的挑発のツバ競り合い。
……で、その「国際的挑発」の原因と云うか、火種と云うか、発端は。
……政治家が、今の任期後の身の振りを安泰させる目的のパフォーマンス、で。


……、みたいな。
一端に政治的なゴタクでも書き殴ろうか、とも考えたのですが。
真摯に、過去の災禍を、反省するのであれば。
黙して祷る事こそが、英霊に対する供養と感謝であろうか、と。
私自身が考える戦争考から得た反省は、私自身が以後の人生で活かせば良い。
それぞれが、それぞれの個人的立場や事情を抱き、それぞれの戦争考を抱いていて。
その大衆の意の集約と蓄積が、今日の世界平和の中の日本を築いているワケで。


戦争の話は、それとして、重々、心の奥底に尊重しつつ。
今日は、音楽(ワールドミュージック)に関する与太話。


レイブ。
意訳すると『オールナイト・ダンスパーティー』。


「自分の個人的な主義信条は捨て去り、皆が一つに融合して狂気騒乱する」って感じ。
自分自身を見失うまで踊り狂い、互いに悦楽の果てを目指す、集団トランス状態。


近年、トランスを目指すために危険薬物が氾濫する「闇市」として危険視されていますケド。
(合法違法を問わず、強制的に精神高揚や意識混濁をもたらす効能のある『クスリ』の売買。)
※ : 『クスリ』とは表現しましたが、ハーブやら注射器やら錠剤やらを総括的に含めて。


まぁ、なんつーか、どちらかと云うと。
悪い意味で反社会的なイベントとしての注目度が高い、音楽ジャンル。
レイブ。
……、なのですが。


当然、元来、真っ当なイベントです。
無論、今でも、真っ当なレイブ・イベントは存在します。
……と、説明しても。
……レイブに興味が無い人からして見れば「えー……」って雰囲気なので。


今日は、その、「健全な『レイブ』」の最たる事例の紹介。
決して、アナタにとっても他人事では無い、善良なる真の『レイブ』の考察。
まぁ、恐喝や麻薬密売や暴行強姦の危険性が隠れている事実も、決して軽視はできませんが。
それでも「悪意によって結集した『レイブ』」では無い、民俗学的な集団トランス。


季節は、お盆のド真ん中。
そう。
盆踊り。(…………えっ?)


夜店で、ビールやら焼き鳥やらフランクフルトやら買い込んで。
ヤグラの太鼓に群れ集い、踊り耽ける御町内の人々を眺めていて。
「だせぇー」とは思いつつ、何故か、心の高揚が疼きつつ。
その場に居合わせた人々が、誰彼を問わず一心となり、夢中になる。


Japanese・Traditional・"BON-Dance"・Party。


盆踊りを見てて、妙にテンションが高潮して、ちょっと気恥ずかしい、って。
そんな、思春期の若者からのメールを受けて。
「あの、夏祭りの盆踊りの独特の高揚感と一体感は『レイブ』なんだぜ」、と。
「だから中学生や高校生の君達が、盆踊りにテンション上がるのは当然ダロ」、と。


ある、ラジオ番組のDJが、声高に力説していたのを聞いて。
心底、感銘と、納得を覚えた次第。


なんつーか。
価値観や人生観が大きく異なる人々と、同じ地球の上で共存して。
共に、安寧と平和を模索しながら、子々孫々の笑顔を願う、ワールドワイドな本意。
ロンドンオリンピックによって世界が一体となった、ってな、時事の事情も含めて。
人間、ってのは。
文化圏や生活環境が違っても、本能的には、同じ様なコトをやるモノなのね、と。
文化圏や生活環境が違っても、本能的に、同じ願いを抱いて已まないのね、と。


豊穣や大漁を祈願する、土地神や地母神への感謝。
今の自分が至るに由縁する、ご先祖様への感謝。
それは、言語や作法こそ異なれど、部分的には共通する神礼祭式によって体現され。
その、(神礼祭式の)ジャンルの一つとして存在するのが。


「自分の個人的な主義信条は捨て去り、皆が一つに融合して狂気騒乱する」。
地域社会を支えるために、皆、私情をさて置いて一丸となり、盛り上がる。


……つまり、日本で云うと、盆踊り。
……つまり、レイブ。