うきぐも…

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文字だけで
想像(妄想)できる
ファンタジー


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「便利な世の中になったもんだ……」と、年を食った自分の感性を地味に実感した話。
そして。
いわれる『割れ(ware)』うんぬん、に、関する話。


ボクが愛用している3DSは、シャアでも使わない様な、悪趣味な、ド赤なので。
安っぽい赤メッキでキラキラのシナンジュガンダムUC)、みたいな。


「何そのシナンジュ」とか言われたら、ガンオタ的に、ちょっと嬉しいですけれど。
(「何そのナイチンゲール(十歩ゆずって、サザビー)」でも、可。)
「何そのシャア専用」とか言われたら、無言で殴ってやりたくなります。


シャア専用って言ったらガンオタにウケる、とか。
その程度のミーハーが、シャアの愛機のカラーリングの拘りにクチを出すな、と。
朱、緋、紅、赤、それぐらい色彩に敏感で無い素人が、シャアレッドについてどーこー語るな、と。


朱 : クエス・パラヤ専用ヤクト・ドーガ
緋 : カイ・シデン専用ガンキャノン
紅 : ジョニー・ライデン専用ザクなんとか。
赤 : プルツー仕様キュベレイMk-2。
橙 : アンドリュー・バルトフェルド専用バクゥ。(俗称『ラゴゥ』)
桃 : カガリ・ユラ・アスハ専用ストライク・ルージュ。


ガンオタ相手に『赤』を語るなら、せめて、これぐらいの色彩感は踏まえた上で。
3DSのフレアレッドを『シャアレッド』と称する、色彩学的な論拠を説明して欲しい。
……ィャ、まぁ。
……3DSのフレアレッドを『シャアレッド』とか呼んでる奴なんか、誰もいないけどな。(笑)
……かつて「赤 = シャア」って安直なウケ狙いに、イラッとした事があったり無かったり。


そんなにシャアの赤が好きな真性のガンオタだったら。
素直に「シャア専用3DS(仮)」とか、キャラモノ丸出しの限定品を買うっつーの。
派手にネオ・ジオンの刻印とか入ってるヤツを、さ。


ィャ、ともかく「悪趣味なド赤(フレアレッド)」の3DS、なので。
否が応にも、何をやっていても、とにかく目立ちます。


別段、何がしか、疚しいコトをやっているワケでも無いので。
(職場で休憩時間中に、DS-wareのシンプル麻雀とか、クロンダイクを遊んでる程度。)
(たまーに、メタルマックス2Rで周回レアドロップ狩りとかも、ヤる。)
(ちなみに、職場では『ラブプラス』系は、ヤらない。 / 笑)


目立つコトは目立ちますが、だから特別にどうのこうの、……って事も無いのですが。
最近。
ただでさえ、悪目立ちするド赤の3DSを。
90度ほど回転させて、タテ持ちしているので。
殊更、ますます、変なヒトを見る目で見られていたりしまス。(笑)


……で、やっぱり、聞かれました。


aさん「うにうに。さん、何をやってはるんですか?」
うに。「DS文学全集なう。」
aさん「……え?」
うに。「『グスコーブドリの伝記』なう。」
aさん「…………え???」
うに。「ほら。最近、映画化されたし。」
aさん「てゆーか。ツィッター、やってはるんですか?」
うに。「話の食い付き所は、そこじゃ無ェ」


ツィッターもやってないクセに「〜〜なう」とか言いたがる、なんざ。
赤を見れば「シャア専用」とか言いたがるヤツと同レベルのミーハーでして。
ボクも、そのうち、誰かに無言で殴られるぜ、……とか、物騒な自虐も踏まえつつ。


DS文学全集』。
誰が、どんな志向(嗜好)と趣味で選出したのか。
著作権フリーの日本の近代名著の中から、100選を凝縮したノベルゲーム。
……ィャ、ノベルゲームじゃ無くて、純然たる電子ノベルだってばよ。(笑)


当然、宮沢賢治の名著も、数点、収録されているワケですが。
件の『グスコーブドリの伝記』は、実は、未収録だったりしまス。
追加で、後からユーザーが自由にダウンロードできる、いわゆるDLCの一つ。
他にも。
夏目漱石虞美人草』とか。
芥川龍之介『鼻』とか。
太宰治『女学生』とか。
石川啄木『一握の砂』とか。
「こんなの誰が読むんだ」ってレアコンテンツが、地味に充実しているワケでして。
それぞれの作家を崇拝する信者が、更に、作品の奥底へと踏み込む泥沼の領域。


……とは、云いつつ。
……没後数十年、著作権フリーの近代古典なので。
……『青空文庫』的な意味で、万民に愛されるコアながらも名著揃いです。
……と、言うか。
……パソコンだかスマホだか、で、『青空文庫』で自由に読める作品ばかりです。


「物理的に、紙面媒体の方が好きだ」ってヒトなら、図書館に行けば借りられると思います。
(『グスコーブドリの伝記』は映画化ブームの予約待ちで難しいかも、ですが。)


世間は夏休み、っても。
社会人ともなれば、学徒ほど自由な時間は無いにしても。
生活の間に間に、たまには、こう云う文化に触れてみるってのも良いかなぁ、……と。


で。
流石に、岩波だか、角川だか、文庫本とは云えど。
紙面媒体は、何かと、平素の管理が七面倒なのですが。
電子書籍だと、ものすごく、シンプルかつコンパクトに収まるので。
すごく便利な世の中になったもんだなァ、……と。


きっと、生涯、一読もしないであろう『浮雲』(二葉亭四迷)とか。
まさか『ラブプラス』が契機の縁となった『金色夜叉』(尾崎紅葉)とか。
個人的に「これぞ日本ライトノベルの原点」と盲信する『我輩は猫である』(夏目漱石)とか。
低所得の若年勤労層の心のバイブルとして推奨する『蟹工船』(小林多喜二)とか。
高校生になってから読ませるべし、『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)とか。


そんなこんなの大量の名著、実に、100余作品……が。
この悪趣味に真っ赤な3DSの本体一つ分に、すっぽりと収まっていると云うのだから。
なんて云うか、重ねて、便利な世の中になったもんだなァ、……と。
たった、100余作品しか持ち歩けない。
なんと、100余作品も持ち歩ける。
微妙に、電脳都市的な、チープにして底が深い二律背反。


スマートフォンに関しては、基本、存在自体を全否定なのですが。
例外的に、『青空文庫』的なwareを、有効かつ合法的に活用すれば。
(『割れ』的な悪辣にして外法な使い方、では、無く。)
(月額登録料を上納して音楽とか映像とかをダウンロードしたり、みたいな。)
なるほど。
コレはコレで、個人的メディア・ベースとして便利なマシンなのかな、と。


なんつーか。
手の平サイズ「図書館」。
それなら、大枚を叩いて子供に持ち歩かせても無問題の教育ツールなのかも知れない。
もっとも。
子供にとっては、手の平サイズの「ゲームセンター」になるかも知れないですが。(笑)
ゲームセンターで学ぶ事が、時として、図書館で学ぶ事よりも深かったりしますから。