うちょうてん…

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太陽を
直接、見ては
いけないよ!


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日食の話題が、チマタで賢しい自今。
そして、日食の翌日には。
「日本製バベルの塔」もとい「東京スカイツリー」の開業初日だったりするワケで。


バベルの塔、……ってのは、云わずと知れた古典文学(宗教学)の一節でして。
要するに、人類のオゴリを不安視した先人の、歴史的な警訓だったりするワケで。
ブルジュ・ハリファにしても、サグラダ・ファミリアにしても。
どんなに人類が、文化と科学の英知を結して、頑張っても。
神様の尺度から見れば、幼稚園児が砂場に作る泥山ぐらいのチャチな代物で。


それでも、機嫌を害した神様は。
巨大な津波を呼び起こし、前例の無い竜巻を巻き起こし、そして、太陽に蓋をして。
バベルの塔の寓話を思い起こさせる、禍福の乱狂が凄まじい、現代の平成日本。
(今は、政治混乱や原子力災害など、人間本位の都合だけが起因する災厄は無視します。)


……いや、特に、原子力災害については、軽々と無視できないのですけれど。


なんだろう。
現代の日本の教育のモノサシで、考えれば。
この手の自然の数奇、と、東京スカイツリー、を、オカルト的に結び付けて考えるってのは。
物騒なコトを吹聴して人々の恐怖を煽り関心を誘う、極めて悪辣な趣味でしか無いのですが。


古代日本の視点から、逆説的に考えて。
歴史的な大地震津波、前例の無い竜巻、そして、太陽の消える朝。
……これって。
例えば、邪馬台国とかだと、卑弥呼にでも縋らないと人心が侭ならない異常時かなぁ、と。
現代では、情報と知識によって、平常と冷静に立ち、『祭』感覚で楽しんでいますけれど。
古代では、情報も知識も無く、後世に残る歴史書に記録されるレベルの『祀』ですよね。


この、近年の、一連の、自然のイレギュラーの連続は。
神様の威光、……と、古代の人々なら考える気がする。


ボクは、基本、無神論者だし。
(ただ、死後の輪廻転生に纏わる六道思想や閻魔思想、など、部分的に民俗信仰している概念は有る。)
オカルトやホラーは、都市生活者の人心を引くネタでしか無い、と、考えている唯物論者ですが。


東京スカイツリーの開業日(5月22日)を狙った様な、夜明けの完全日食(5月21日)。


夜明けの太陽、ってのは、古代日本宗教では、特別な意味を持つ自称であり。
(夕方の逢魔刻より這い出た霊魔悪鬼が、再び、闇へと這い戻る端境。)
一番鶏を神鳥と崇められていたりするほどの時間帯なのですが。


……人々が、一日の内で、もっとも太陽の存在を意識する時間帯に発生する、完全日食。
……多くの人々の目に触れる時間帯と場所を、きっちりと見越して全国的に発生する、完全日食。


これって、さ。
日本の古代の神様からの、何かしらの国民的メッセージなのかなぁ、……とか。
そんな、オカルト然とした蒙昧な妄想を、それでも信じる気になるのは。
たぶん、ボク一人だけじゃないよね。


良い意味なのか、悪い意味なのか。
それは、神様に聞いてみないと分かりませんけれど。
ただ。
都市に疲弊した人々を喜ばせてくれるための気まぐれの天文ショー、……では、無いと思う。