てちぎり…

   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


「小麦粉」(食パン)を
「卵と乳」(プリン)で
混ぜただけ


   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


料理に関する言及頻度が増えた、最近の当ブログ。
否。
ボクは、何かと、スウィーツ男子を自称しているにも関わらず。(笑)
お菓子(甘味)に関しては、滅多に言及しなかったりするワケで。


その理由は、いくつか、ありますが。
・酒呑みの知人の「賄い飯」がメインなので、塩料理が多い。
・スウィーツを作るにしても、食材や、器具が無い。
・コンビニやスーパーで菓子パンを買えば、個人的に、満足。(笑)


結論。
良いじゃん。甘味が欲しくなった時は、その辺の店で買えば。
……『スウィーツ男子』とか言ってる資格、無いですよ。オレ。(笑)


機会も、器具も、材料も無い。
そんなワケで、スウィーツとは縁遠い、ボクの料理趣味なのですが。
一方で。
「有り物を工面して、貧乏でも小腹と舌が満足する子供ダマシ」に関しては。
ヒト知れず、地味に、研究したりしています。


フレンチトースト、スナックピザトースト、……とか。
(食パン、卵、牛乳、チーズ、……が、有れば、どうにか作れる。)
クレープ、ホットケーキ、水団善哉……とか。
(薄力粉、卵、水 or 牛乳、砂糖、あずき缶……があれば、どうにか作れる。)


バニラエッセンス、とか。
ホイップクリープ、とか。
無塩バター、とか。
その辺のランクアップを無視した、55点ぐらいの粗食スウィーツの研究。


とにかく。
・思い立った時、楽に作れる。
・材料の在庫や器具の有無に左右されず、どこでも安定して調理ができる。
・安価に仕上げる。
……この三点を、重視して、お手製の甘味の追求。


……、で。
最近、辿り着いた、一つのレシピ。


  ※  <食パンとプリンのお好み焼き風ホットケーキ>  ※  


材料。(3枚分〜5枚分)
食パン。……6枚切り、1枚。(別に4枚や5枚でも良い。)
プリン。……1カップ。(3カップ100円の安物で良い。)
牛乳。……200mlの紙パック。(ただし、実際に使うのは100ml以下。)
砂糖、バター or マーガリン。……少々。(いつも御家庭にあるモノ。)
※ : 和三盆があるヒトは、和三盆。黒糖があるヒトは、黒糖。
※ : 上白糖でも、オリゴ糖でも、ガムシロップでも、何でも良い。
※ : バターも、マーガリンも、どっちでも良い。


バニラエッセンス、メープルシロップ or ハチミツ、などは、お好みで。
(プリンが味のメインを張るので、迂闊に追加すると、ダダ甘になる。)


レシピ。


1 : 食パンは耳を落として、白身を手ちぎりでボールに盛る。
※ : 大量の粗い生パン粉を作る感覚。
※ : 粉状の砂糖で甘味を追加するなら、此処で入れておく。
(液状果糖で甘味を追加する場合は、3: の溶かしバターと同タイミング。)


2 : プリンは別の容器で液状のドロドロに掻き混ぜて、それを 1: に流し込む。
※ : パン粉と液状プリンが固まるけど、あまり混ぜないコト。
→液状プリンにパン粉の衣をまぶす感覚で、ザクッと大混ぜする。
※ : かなり、グロテスクです。不安になるけど、気にしたら負け。


3 : 牛乳は、様子を見つつ、15ml〜30mlずつ加えて、混ぜる。
※ : パン粉と液状プリンが、溶解してペースト状になるまで。
※ : ベタッと半固形が落ちるぐらいが目安。トロッと落ちたら牛乳が多過ぎ。
※ : 好みで「溶かしバター(溶かしマーガリン)」を入れるなら、此処で。


4 : お好み焼きを焼く感覚で、焼く。
→フライパンを中火で熱して、濡れ布巾で高温ムラを落とす。
(ここだけ、ホットケーキの作法。)
→バター or マーガリンを敷き、お玉一杯分の生地を流し注ぎ、広げる。
→中の弱火に火力を落として、蓋をして、三分間ほど蒸し焼く。
→三分後、引っ繰り返して、さらに蓋をして三分間ほど、蒸し焼く。


※ : ホットケーキの容量で焼こうとすると、生地が言う事を聞きません。
(ツナギの全卵(卵黄)が入っていないので、生地の固まりが緩い。)
(プリンの卵成分が底意地で固まってくれるまで、気長に、待つ。)
※ : フッ素加工のフライパン、と、大判のフライ返しがあると、便利。


「はい、できましたー♪」


メリット。
・食パン1枚、プリン1つ、牛乳一杯、からは想像もできない圧巻のボリューム。
・それぞれ、特売だと100円以下で用意ができる。いつでも入手できる。
・作る度に味が変化する。御家庭の味、粗食な貧乏レシピの醍醐味。


デメリット。
・栄養学的に不安が大きい。
(糖分や油分の過多。ヒトによっては、プリンだけでも結構なダメージ。)
・甘味や油分に弱いヒトだと、胃もたれ、胸ヤケ、等に苦しむ。
作ってる最中の見目がゲテモノで、食欲が萎える。(笑)
(ただ、匂いが甘く香ばしいので、そこで食欲が回復する。)
・「お好み焼きを上手に焼ける」と云う予備スキルが要求される。
お好み焼きを焼けないヒトだと、生地の引っ繰り返しに失敗する。)


ええ、ボクは、すごく美味しいと思いましたケド。
皆さんには、普通に、ホットケーキを焼くコトをオススメします。(笑)
それか、コンビニやスーパーで、普通にスウィーツ買って下さい。
あるいは、食パンとプリンを、普通に食べて下さい。


……と、言われて。
……それでも「これは面白そうだ」って興味が沸いたヒト向け。
……そして、粗食の貧乏レシピに造詣が深い、玄人(苦労人)向けのレシピ。


子供さんには、喜ばれるかも。
味そのもの、では無く、母子ともども一緒に作る過程が。
(食パンをちぎったり、プリンを混ぜる工程は、子供さんにやらせてあげる、とか。)


家庭料理の味の決め手は、愛情のサジ加減ですからね。
「子供の笑顔が見たい」ってヒトには、是非とも試して欲しいレシピです。
無論、スウィーツ男子の一人おやつにも恰好至福のボリュームです。


補足。
甘味がキライな諸兄、各位。
砂糖を塩に変えて、プリンを茶碗蒸しに変えて。
それこそ、キャベツ無しのお好み焼きにするのも、アリです。
刻みベーコン、ホウレン草 or ニラ、チーズ、なんかでアレンジすれば。
結構、お手軽な「なんちゃってお好み焼き」になりますよ。
(要するに、プリンも、茶碗蒸しも、卵の代わり。)
お好み焼きの影の立役者「出汁」を、茶碗蒸しが担当してくれる。)


とどの詰まり、上記の食パンのお好み焼き風ホットケーキ、も。
バニラエッセンスなどの「香料」を、プリンが担当してくれるので。
(増練多糖材、軟化材、などの合成甘味成分も含めて。)
ベーキングパウダーに類する「膨らし粉」を、食パンが担当してくれるので。
ホットケーキミックスで作るより、風味が、格段に、増すのです。


……ああ、それと。
ホットケーキやお好み焼きを「ふっくら」させるコツの一つ。
それは、生地に内包する空気の含有量なのですが。
食パンを、粗く、手でちぎるコトで、その辺の工面が成されるのです。
無意味に見えて、実は、それなりに理に適った調理法なんですよ?