にーと…

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寒いから
出たくないなぁ……
布団の日


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Not in Education, Employment or Training.


・Education。……学業や学術の関係機関。
(将来的に収入に繋がる前提。諸裏的な収入を期待しない学業機関は"school")
・Employment。……就業、就労。
・Training。……訓練。(此処では、限定的に「職業訓練」)


2月10日。ニットの日。
上記の英文の頭文字をとって、いわゆる「NEETの日」。
それに即したのか、どうなのか知りませんが、ついでに、布団の日。(笑)


狭義、専門家が、専門的な問題として取り扱う場合の『NEET』とは。
「学術関係機関にも、就労にも、職業訓練にも属していない、不安定収入層」であり。
宝くじで大金を勝ち当て、遊んで暮らしている人、とか。
法律に抵触する所業にて、金銭を手荒く掻き集める手合いの人、とか。
親の財産で豪遊する、セレブやお坊ちゃま、とか。
旦那に外の仕事を任せて、全力で家庭を死守する専業主婦、とか。
年金生活者、生活保護受給者、とか。
……ものすごく、ものすごく、多様的な「不安定収入層」を示唆するワケで。


逆に云えば。
カジノで100億円を使い潰した、大王製紙の三代目の御曹司、……の場合。
大王製紙に就労しているので、『NEET』では無いワケで。
つまり。
NEET』で無くても、ニートより悪質な人間なんぞ、星の数ほど存在するワケですが。(笑)
例えば。
東証上場の有名企業の管理職でも、コンビニのアルバイト店員には暴言を吐くエリート社員とか、ね。
社会的な立場の高下を利用して、性的な遊戯を強要する先生とか警察官とか、ね。


厳格な意の、狭義の『NEET』ってのは。
オンラインやメディアで語られる、和製英語の「ニート」とは、完全に別の問題です。


……なのですが。
今日は、和製英語の「ニート」の話。
恋愛ニート』とか、まったく何の考えも無く、ただ人目を引くために使われる場合の話。
メディアやコミュニティで、ウケ狙いを目的として使う場合の話。


……『恋愛ニート』とか云ってるけど、さ。
……ただの、ワガママの度が過ぎて婚期を逃した更年期のオンナの悲喜劇じゃん。
……悲喜劇っても、茶番なので、ハッピーエンドに繋がるんですケド。


もとい、「ニート」って単語も、「ツンデレ」と同様。
もともと、ネットのアングラで交わされる、ある種のスラングであり。
求められていたのは「意味の確実性」では無く「ニュアンスの利便性」だったワケで。
文脈を派生させて会話を盛り上げるコト、が、その単語の存在意義なのですが。


逆に云えば。
メディアが、単独コンテンツとして、問題定義と結論を同時に呈する場合。
ニート」の厳格な意義を、まったく考える気が無い、無考の露呈でして。
人目を引く話題で袖を引いて、売り上げや視聴率を稼ぐコトだけが目的化して、論旨が狂う。


……、で。
そもそも、オンライン・スラングの「ニート」と呼ばれる手合いの人々は。
いったい、何が特殊視されて、同志の話題と注目を集めたのか、……と、云うと。


ここで、話が、いきなり大きく脱線しますケド。
2月10日は。
御手洗清志、……ってキャラクターの誕生日でもあるそうです。(誰っ!?)


名無し a 「島田荘司か」
名無し b 「違う、そうじゃないw」
名無し c 「で、誰やねん」
名無し d 「幽々白書でググレ」


こんな感じ。
コレは、オンラインに於けるコミュニケーションの一つの例で。
こうした匿名コミュニケーションの中で、罵倒や中傷や、賞賛や畏敬や、色々な角度で。
ニート」って単語は、様々なカタチで使われて、幅広い裾野に広まった次第。


島田荘司さんの小説には「御手洗潔」ってキャラクターが出て来ます。
幽々白書』の御手洗清志クンとは、まったく、関係が無いヒトです。(笑)
……では、いきなり名前が出て来た、『御手洗清志』とは何者なのか。
布団を被って不登校に沈み、塞ぎ込む、ニート予備軍の男の子です。
ニートの日だし、布団の日だし。(笑)
「魔界の扉」編で仙水に引っ張り込まれた一人で、水を自在に操る霊能力者。


…………、など。
こうした事後説明を、逐一、補足しなくても。
何かの契機で突発的に発生した、何のコトは無い、ただの雑談が。
見るヒトが見れば、一瞬でニュアンスを察知して、次から次へと会話が広がる。
そうした不可思議かつ無限のコミュニティの中で、使われるからこそ。
多義的で、自由で、利便性に長けた「ニート」って単語が重視されたのです。


マスコミや、政治が、意義の統一性を図ろうとした結果、現在は。
「就労適齢期(19才〜34才)にして無職のヒト」だけを示唆する状態ですが。
もともと、オンライン上のスラングでは。
「ネットで凄いのは良いけど、実生活では何やってるのよアンタ?」って意味です。
……ネット内で神の真似事に興じても、リアルが半端じゃダメだよ、とか。
……リアルでどんな生活をしたら、ネットでそこまで神の境地に近づけるのか、とか。
相手に対して「馬鹿にする」と「尊敬する」を同時に伝達する、造語。


社会問題としての『NEET』については、ボクは専門家では無いので、結論を避けますが。
ネットに於ける「NEET」の失速について、素人個人が考察できる範囲で、云えば。
最大の問題点は。
NEET」だろうが、普通のヒトだろうが、考えの浅いヒトが爆発的に増えたコトが。
オンラインに於ける「NEET」の意義の失速と衰退の原因だ、と、ボクは思います。


つまり。
多義性が無くなり「就労適齢期の無職をバカにするだけ」の意味に成り下がった事への懸念。
ネットを使う人々、や、ネット上に点在するコンテンツ、の『お茶の間テレビ』化。
情報権力者が一方的に提供するコンテンツを、情報弱者が食い潰すだけのヒエラルキー
……双方向の自由性が無くなり、新しいモノが生まれる可能性が無くなる。


たまには、真剣に考えてみませんか?
NEET』じゃなくて「ニート」のコトを。
オンラインで当然の如く使われている単語の「オンラインだからこそ、の、特有の意味」を。