ともぐい…

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ようやっと
世間が認めた
異彩の偉


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芥川賞だか、直木賞だか、知りませんが。
『共喰い』を書いたメガネの、あの不逞不逞しい、態度と毒舌が。
なんか、マスコミにウケてるみたいです。


田中慎弥さん?
御年39才の身空にして。
引き篭もりの、親のスネカジリの、文豪ニートだそうですが。


カッコワライ、は、付けません。
文章上だけ見れば、ただのプギャーなネタなのですが。
深意、ボクは。
近代の心意気を抱いて現代に甦った、稀代の「書生」だと思ってます。
……もはや、今は「書生」なんて言葉そのものが死語ですが。


なんつーか。
まぁ、深読みせずに、素直に見れば。
親の過保護に甘えて育った、世間知らずの根腐れの典型なのでしょうけれど。
……と、云うより。
……厭世を言い訳にして、通り魔事件を起こしかねない、犯罪者予備軍っぽい。


……なのですが。
……なんだろう。
眼が、違う気がする。
本当は、文章を読んで人間性を考察するのが、仁義と云うか礼儀なのですが。


プロファイリング、と、云うか。
人相学、と、云うか。
オーラ、と、云うか。


カメラを通して、インタビューを編集して。
それっぽく、わざとらしく、第三者が演出した捏造の映像を見せられても。
奇妙に惹かれる、ネガティブな芸人気質?
さよなら絶望先生』の実物に近いのは、たぶん、このヒトみたいな男だろう、と。(笑)


ボクの、狭量で、浅傍で、幼稚な憶測が、マト外れなのであれば。
今後は、その痛辣な毒舌が持て囃されて、芸人よろしくバラエティーに引っ張り回されて。
三年もすれば、その濃い人間味に飽きられて、社会に居場所が無くなって。
人知れず、野垂れ死ぬか。
ヤバイ事をして、警察の世話になる気もするのですけれど……。


もし。
ボクの洞察が、時々、天性のヒラメキに即して、真実を穿つコトがあるとすれば。
彼が、やはり、近代の気質を神から授かった、現代に甦った「書生」なのだとすれば。


自殺する。


そんな気がする。


それこそ。
芥川龍之介みたいに。


あるいは、夏目漱石や、正岡子規みたいに。
疝気の度が過ぎて病死する可能性も、無きにしも在らず、かも知れませんが。
(「疝気の度が過ぎて」 = 「精神ストレスに肉体が耐えられなくなって」)
何がしか、「書生」と云うか『文豪』っぽい死相を感じた。


生気よりも、死相を。


引き篭もりの、親のスネカジリの、文豪ニートの、只者で。
ただ単に、クチと態度がデカイだけの小市民であるコトを、言下に、切望する次第。
少なくとも。
厭世を言い訳にして死に逃げる、偉大と偏屈を併せ持つ『文豪』では無いコトを、祈る。


もっとも、ネットのニュースの中には。
平然と、田中氏の快挙たる大作を『共食い』と誤字して賛賞する、など。
世の人々は、誰一人、彼を文豪としては評価していないっぽいですけれど。


……ですよね?
……だから、マスコミは。
……『共喰い』でも『共食い』でも、どっちも同じ意味だと軽視してるんですよね。
……二大文学賞を受賞した作品に対する、敬意も蔑ろにして。


そんな世間の、狭量で、浅傍で、幼稚な評価に嫌気が刺して。
誰一人、世間の真意は「田中慎弥」を評価していない、と、『文豪』として絶望に臥して。
そして自殺するんじゃないかなぁ、……と云うのが、上記の「自殺に対する不安」の論拠。