そりすべり…

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独り身に
寒さが刺さる
聖なる夜


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EZアプリの「ひとこと天気予報」によると。
12月24日、本日の天気は。


極寒の聖夜。
良くも悪くも、ホワイトクリスマスの予感。


なかなか、気の利いた一文を考える気象予報士がいるもんだ。(笑)


……いや、物理的に、気象学的に、身体的に。
……「今年のクリスマスは冬将軍に注意しろ」って意味ですケド。


そんなこんなで。
モバゲーだかグリーだかのCMを見ていて、フッと感じた疑問なのですが。
そして。
毎年、毎年、クリスマス時季に感じる、瑣末な不思議なのですが。


♪雨は夜更け過ぎに
♪雪へと変わるだろう


山下達郎さんの『クリスマス・イヴ』。
ええ、トレンディードラマ世代には胸キュン(死語)の名曲ですね。
世代を問わず、結婚適齢期で恋愛に飢えた男女の王道、と、云うか。
B'zの『いつかのメリークリスマス』に匹敵する、御約束の名曲と云うか。
松任谷由実さんの『恋人がサンタクロース』の方が年代的には近いけど)


なのですが。


山下達郎さんの『クリスマス・イヴ』。
原典は、東京発〜新大阪行きの新幹線の最終便のCMソングで。
俗称「シンデレラ・エクスプレス」なんて二つ名を秘める、夢の超特急。
俗称「トワイライト・エクスプレス」に匹敵する、鉄オタの浪漫。
ボクは、鉄オタでは無いですが。
「トワイライト・エクスプレス」には、いつか、乗ってみたいのですけれど。
「シンデレラ・エクスプレ」には、一人で、何度も乗っているワケで。(笑)
……そりゃ、夜半の新幹線の旅路に、浪漫を感じないコトは無いですけれど。
……「シンデレラ・エクスプレス」とか言われる、なんだかなぁ、と。


ィャ、まぁ、
シンデレラ・エクスプレス」って名称は。
12月24日の東京発の最終新幹線だけを限定示唆する単語かも知れませんが。
そんな話は、ぶっちゃけ、至極どーでも良いワケで。


山下達郎さんの『クリスマス・イヴ』。
聖夜前夜に待ち合わせをする恋人たちの、甘い、待ち合わせのオラトリオ。
……なのですが。
これ、失恋ソングですよねェ。


結局、件の楽曲内では、最終的に。
恋人は、待ち合わせをブッチして来なかったんですよね?


そんな、縁起の悪い失恋ソング、……が。
なぜ、恋人たちのクリスマス恋愛の聖歌として、崇拝されてるのだろう、と。
アニメオタクのモノサシで分析した、シチュエーションとしては。
マリア様がみてる』の「いばらの森」が、一番、近いのですが。(笑)


考えてみれば。
恋愛成就の祈願を込めた「シンデレラ・エクスプレス」のCMに。
敢えて、逆説哲学的に。
失恋ソングを提供した山下達郎さんの音楽観も、どーかと思いつつ。


ちなみに、別説によると。
歌詞の文章上では、ブッチされた事になってますけれど。
旋律演出の妙で、最後の最後に、やっと、待ち侘びた彼氏彼女が到着して。
楽曲内の二人の恋人は、晴れて、聖夜に結ばれたとする解釈もあるそうで。


この辺りの、解釈の自由性も、また。
山下達郎さんの音楽の醍醐味の、一環。
時代を超えて、聖夜の名曲の一つとして謳われる由縁。


ちなみに、ボクは、クリスマス・イヴの夜。
ルロイ・アンダーソンの『そりすべり』、……を。
一人、延々と、ヘビーローテーションさせてました。
mp3なり、動画なり、それっぽいのが転がってるので、興味のあるヒトは御一聴。
旋律を聴けば「あーあーあー」と誰もが納得する、隠れた名曲。
恋心、と云うより、童心に近い。


何がハマったんだろうなァ。
今年は、どんなクリスマス・ソングよりも。
ただただ『そりすべり』を聴きまくるのが、無性に、楽しかった。