いなりずし…

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風呂上り
男の股に
稲荷寿司


(18禁相当)


……最低だ。俺。


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前説。
風呂に入ろうとしたクリス、と、風呂から上がったヤマト、が、バッタリ。
……つーか、なんで混浴前提の大浴場の脱衣所なのだろう。


(前略、概要。)


※ : 元来、日本の大衆浴場は混浴がディフォである話。
※ : 西洋式の核家族化が浸透する以前は、地域大家族型の生活圏だった話。
※ : →知人や隣人も「家族」であり、裸を見たり見られたりは社会的にも自然な事象。


閑話休題。)


ヤマト「ハッキリ言うぞ、クリス。オレは女の裸が好きだっ!」
クリス「なっ!?……劣情に穢れた邪心に絆されて血迷ったか!!」
ヤマト「クリス……お前には、今『好き』な人がいるか?」
クリス「この後に及んで誤魔化すな。斬る!」
ヤマト「クリス……その『好き』と云う気持ちは、邪心か?劣情か?
クリス「否っ!断じて否っ!!この想いは崇高にして尊いモノだ。義だ!」
ヤマト「もう一度、言うぞ。俺は女の裸が『好き』だ」
クリス「何が言いたい…?」
ヤマト「お前は、この気持ちを『劣情に穢れた邪心』と言った」
クリス「まさに、その通りでは無いか」
ヤマト「ならば。…お前の『好き』と言う気持ちも、血迷った結果か?
クリス「ッ!?」
ヤマト「劣情に穢された邪心に絆された気の迷いか?」
クリス「違う!だ、だから、崇高にして尊い、義であった……」
ヤマト「オレも、そうだ」
クリス「だから何が言いたいのだ、ヤマト……?」
ヤマト「女の裸に対して抱いているのは、崇高にして尊い想いだ!義だ!!


捕捉。
ヤマト : 糸色望先生の中の人。
クリス : タマ姉の中の人。


声圧の覇気で押し迫る、静御前を。
軽妙なヘリクツで掻い潜る、ヒロC。


マジ濃い。(違っ)
<まじこい>


ヒワイでハレンチで『萌王』的な、セクシャル・ハプニングに立ち会う度に。
いちいち大仰に、武士道の観点から、自身の潔白を弁明する、ヤマト。
ええ、無論。
着替えを覗いたりした後のオトコの主張なんぞ、屁理屈でしか無いのですが。
……その際のヤマトの屁理屈の、筋金と気合いの入り方が、妙に心に響くと思ったら。


例えば、おなじ様な状況下から発せられる、男心のサガによる屁理屈でも。
『R-15』の芥川クンの主張とか、『まよチキ』のキンジの主張とか。
大抵の場合。
オトコとしても、その遠回りな女々しさに、イライラするのですけれど。(笑)


『まじこい』のヤマトの言い草だけは、ついつい、聞き入ってしまいます。
屁理屈の内容や論旨に注視傾倒し、彼の言い分を酌もうと云う気になります。
なぜか。
なぜ、ヤマトの屁理屈には、それだけ「男のサガを穿つ真髄」に響くのか。


しかし、何の事は無かった。
演じていたのが、神谷浩史さん、ってだけの話でした。
さよなら絶望先生』みたいだ、って、面白がってただけの話でした。
彼の屁理屈は「男のサガ」じゃなくて「人間のサガ」だったのね。(笑)


絶望した!
出演声優によって作品評価そのものが左右する、声優ブーム時代に絶望したっ!!


そのうち。
『まじこい』でも、ヤマトが「絶望した!」とか叫ぶ日も来るんじゃないかなァ。(笑)
みなとソフトの管轄(『つよきす』など)だから、怖いパクリとか平気でヤるし。
ストライク、どころか、デッドボールなネタとかも、ヤり放題だしなァ。(笑)


まさか、10月期のアニメに、こんな角度から楽しめる作品が隠れていたとは、意外。
前評判と企業看板だけで、まったく中身が無い『境界線上のホライゾン』とは大違い。
……ィャ、面白いコトは面白いですケドね『境界線上の(略)』。
……ラノベブームに絆された人々の焦りが生み出した、粗製濫造の典型にも見える。


取り敢えず。
シメの後藤邑子さん(松風)、冒頭の氷青さん(京)、二人の暴走劇を見るために。
30分間、テレビの前に座ってるだけの価値があるアニメだと思う『マジ濃い』。
……間に間に、神谷浩史さん(ヤマト)の人生談議を聞きながら。(笑)


結論。
「女の子は、凄いんですっ!?」
……それは『マジ濃い』じゃなくて『負けん気』の宣伝コピーじゃん?