はろ…

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いつの世も
ハロの姿は
変わらない


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正直な話。
RX-78 以外は、ガンダムとは認めたくないのが、ボクのスタンスでして。
辛うじて、まだ「ガンダム」のネームバリューが曖昧だった頃に登場した、次機。
沸き止まぬファンのニーズに応える意で無欲から考案された、ゼータは別として。


たぶん、ZZより後の「ガンダム」は、全部。
ガンダム』ってブランドを付ければ金銭が動くと見込んだ、打算の産物で。
玩具店には大量のプラモデルが並んでいるけれど。
なんとなく、世のオタクの圧倒的大多数は、実際の所。
プラモデルと云う文化に、まったく興味を持ってないんじゃないか、……みたいな。


興にかまけて、自宅にミニチュアの鉄道を走らせる偏屈なヒト、とか。
アイドルに対して絶対忠誠を誓い、常に、一体感を主張したいヒト、とか。
(AKB系だけじゃなくて、ジャニーズ系とか、宝塚系とか、韓流系とか、全般)
そんな感じの、病的な価値観を持つ特異なヒトの宗教的道楽なのかしら、と。
他のヒトには見えないモノに執り憑かれて、それしか見えない状態。


さすがに、産業構造の基盤が、そうなってしまったら。
それこそ、その手の趣味のヒトしか金銭を出さないから、流動が滞ります。
そんなワケで、色々な客層の金銭を、プラモデル産業へと招き入れるべく。
バンダイが先陣に立ち、今までプラモに関心の無い客層へのアプローチを展開。


ケロロ軍曹』で、特に、小学生のプラモ離れを食い止めようとして。
しかし、物の見事に大失敗。
そして今、改めて『ダンボール戦記』に鞍替えして、二の轍を邁進。


子供たちが、いかに、プラモデル産業や文化に興味を持ってくれるのか。
それは、バンダイのみならず、玩具産業の宿命的命題。


ガンダムAGE


ただ、極論と云うか、一般論としては。
プラモデルは、プラスチックの人形であり、ただの玩具なので。
部屋に置いていて、邪魔になるコトは、多々、あれど。
何かしら、具体的な効能が期待できるモノでは、ありません。
「祟りを払う高額の壺」と、一緒に考えてもスジ違いでは無いのです。(笑)


そんな宗教的な木偶に、子供が、価値を見出すか、否か。


宗教的な木偶。


仏像に魅せられる子供が、いる様に。
カブトムシに魅せられる子供が、いる様に。
魚に魅せられる子供が、いる様に。


子供の中には、あるモノに対して、理屈を超えたロマンを感知する子も多いです。
むしろ。
子供だからこそ邪念に縛られず、素直に一局集中して、それを好きでいられる。


机の上で、本棚の隅で、ビームサーベルを構えて凛とそびえるガンダムを見る
ただ、ただそれだけで、小さな心が万感の歓喜に満ち満ちる、愉悦。
……そうした客層を掴むのが、上記で述べた「玩具産業の宿命的命題」。


6000円のプラモデルでも、60000円のプラモデルでも。
価値の分からない子供の前では、ただの物理的な邪魔物です。壺です。
否。
600円のプラモデルでも。
価値を見出した子供にとっては、親をも超える心の寄り代となるのです。
親を泣かせてでも、欲する衝動に駆られて、暴走するほどに。
(親の財布からカネを盗む、弱い奴を暴力で脅してカツアゲする、など)


最近の、特に、30代前後でプラモデルに関心を持つ人々の中には。
幼少期に、その心腹暴走を体験した経験が無いヒトが多いのかなー、……と。


高額 = 価値。


それで、カネを出して部屋に置いて、一人に立ち返った時。
本意では「邪魔だなー」としか考えてないんじゃないか、みたいな。
そんな感じに見えます。
プラモデル産業の全体的な商品傾向とか、それを手に取る客の表情を見てると。


なんつーか、専門店の店中に。
それを趣味として執り憑かれた人々が発する威容なオーラが、無い。
店内の人数が多いのに、意思の密度が空虚な、量販の本屋さん、みたいな。


ほら、アレですよ。
じいさん一人と、客が二人しか居ないのに。
なぜか、立ち入りを躊躇する、小さい本屋さんがあるでしょう?
あの、店舗も小さく、人も少ないのに、圧倒的な重圧感。
……そう云うモノが、無いんですよ。
……最近の、場埋めでテキトーにプラモデルを扱う大規模量販店には。
……本の数が多いのに、スカスカで居心地が悪い、大型書籍店には。


あれ?
なんか、逆のコトを言ってるよね。俺。(笑)


そうした重厚な敷居を張ると、子供たちが寄り付かなくなるから。
誰でもサクサクと手に取れる量産環境を作った方が良い、って話だったハズなのに。


…………で、何の話だ?
…………ガンダムAGE


そう。
ゴタクが長くなったけど、今日の本旨は、単純です。


今作の「ガンダム」。
なぜなのか、理由は分かりませんが。
初期装備の状態が、素直に「カッコイイ」と感じました。


00でも、ストライクでも、感じなかった。
シンプル、だからこそ、洗練された持ち味。
今後、装備が増えると、どんどんとダサくなるのかなー、とか。
そんなコトすら考えないほど、素直に、直情的に。


ガンダム」が。
「カッコイイ」、……と。


結局、見目の価値観ってのは、理屈じゃないのよね。


究極、デザイン工学上のメカニック的な概観が、洗練の果てを極めると。
その、極限まで突き詰められた、美意識の集大成の先には。
ハロが、呑気に、コロコロと鎮座していたりもするワケで。


アレはアレで、どの歴代の「ガンダム」よりも、スゴイですけどね。
造形学、工業美術、商的デザイン工学、人文学、あらゆる見地から考えて。
何十年も経過しているのに、デザインモチーフが、決して変更されないのだから。
(システム、カラー、ボイス、など、諸所の微細な変更はあるけれど)
(決して、ハロは、フルモデルチェンジをされない、……って意味で)