おぐらゆい…

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フィーバーは
運と不運の
乱高下


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神様のメモ帳』のアリス、が。
ロウきゅーぶ!』の「おー」、だと知って。
久しぶりに、声優仕事に関して、素直なビックリを味わった次第。
(CV : 小倉唯さん)


十年一昔の「時代の波」で考えれば。
今は、2007年の過熱(ハルヒフィーバー)の引き波の底の時期で。
(2007年の十年ほど前には、1997年のエヴァブームがあった)


ハルヒフィーバー。……平野綾さんが神と呼ばれた時代。
エヴァブーム。……林原めぐみさんが神と呼ばれた時代。


時代を代表する「大神輿」があれば、その周囲では「小神輿」が寄り集まり。
御神体が誰であれ、相応、ファンの間では盛り上がりが発生するのですが。
大神輿が不在の時期に「小神輿」ばかりが騒いでも、空しいだけで。
つまり、どんな逸材であれ。
躍進するにしても天運が敵に回る、難しい時期なのですが。


それが、声優ブームの熱冷の上下を示唆する、十年一昔の「時代の波」。


今、その、引き波のドン底にあって。
小倉唯さん、齢16才(プロフィール上。実年齢は知らん)にして。
アレだけ安定感のある、筋金の通ったアニメ声を出せるヒトがいたとは。
……そりゃ、16才なので、まだまだ伸び代の方が大きい原石の状態ですが。
……あの原石から十年後を推算して、将来性が楽しみな逸材の一人。


もっとも。
その十年の間に、人運か地運を味方に付けるコトができれば、の、話。


天運。
時代の波が、自分の描く未来像に即して、好都合に動いてくれるか、否か。


人運。
自分の描く未来を、周囲の人々(ファン、スタッフ)が支えてくれるか、否か。


地運。
未来像を描く上で、まず、自分のポテンシャルやスキルを維持できるか、否か。


声優仕事に限らず、すべての領分に置いて。
殊、漫画家や小説家、アイドル、声優、政治家、など。
営利の基軸を、第三者に全面的に依存する職種の場合。
本人の意志だけでは、絶対に、無理なのですが。


そりゃ、自己満足の範疇で、カタチだけでも職として背負い。
友達やファン(支持者)から、チヤホヤされるコトもあるでしょうけれど。
それが、当人の描く未来像に即するか否か、は、別問題。
その職で、メシと税金を工面するだけでも苦労が絶えない事例も多いワケで。


それでも、意志を貫き、自分の面倒を見ながら。
その職を生業とするために、現実的な生活設計を試算、運用して。
それを、永劫、続けるコトが可能なのか、どうなのか。


土台、若い声優さんに関しては、ボクは。
第一印象には、大抵の場合「興冷め」か「批判」しか抱かないタチなのですが。
(マイナスから入って、プラスに転向した時に、その人の魅力の真価が見えるから)


久しぶりに、掛値ナシに。
第一印象から「このヒトは凄いかも知れない」って声優さんを見ました。
少なくとも、地運に関しては。
天運は乱高下するので、上がり調子の時に味方に付ければ良いのですが。


問題は、人運が、まったく未知数であるコト。
冷酷で一時的なファンの裏切り(「飽き」による見捨て)なら、いざ知らず。
その秀麗な見目が災いして、枕営業で汚されて、ポイ、……とか。
そんな雰囲気を感じたり、感じなかったり。
……それで、ゆりしー(現、はせしー)は、蹴ッ躓いたからなァ。


小倉唯さんが一人前を目指して下積みを重ねている間に。
竹達彩奈さん、豊崎愛生さん、戸松遥さん、悠木碧さん、などなど。
今、天運に邪魔されて躍進が侭ならないけれど、地運や人運に富む中堅層が。
次のブーム(2015年あたり)で、神と呼ばれる神域に立てるか、否か。


ようやって、長い目で見て。
声優界の面白い時代へ、と、また、波が戻りつつある自今。