ふるきもの…

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知らぬ間に
パン屋の主が
殺されて…


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二匹のウサギを追う者は、結局、一匹も得られないそうですが。
水樹奈々さんは「一途に、愚直に、二兎を追う」と、豪談。
声優、と、歌手、の、二兎。
……つまり。
両方とも中途半端でも客は喜んでくれる、と、言っているワケで。


BLOOD-C


実際、声だけを見れば、その真価は安定的に実力があります。
ヒンシュク覚悟で、個人的に思うコトを述べれば。
バラエティナレーター専門に特化した方が、声質が、映える気もするですが。
ご自身も『二兎を追う』と宣言している通り、歌も、上手です。
「伸び」のある声量と、安定した音感と、見目のオーラ。
……ただ、歌手産業の実態ってのは。
宇多田ヒカルさんも浜崎あゆみさんも「いらない子」と見捨てられた世界、で。
そこで、声優と二束の草鞋を履いてまで、『歌』で何を伝えたいのやら。
「ファンのヒトから褒められたい」ってだけの話なら。
あの実力で、その程度しか伝えられない、……ってのは、逆に、不憫です。


……、で。
……アニメ声優としての「水樹奈々さん」を考えた場合。
ぶっちゃけ、演技が上手で、声がキレイなだけの、無個性です。
ヒトによっては「演技に人間味が無い」なんて批判もあるそうですが。
少なくとも『元気』に関しては、相応、人間の体温と云うモノを声から感じます。
(例えば、日笠陽子さんなどは、画に合わせて台詞を読むだけで手一杯)
…………けれど。
水樹奈々さんが、演技に於いて「元気」を要される場面は、以外と少なくて。
リリカルなのは』のフェイト・テスタロッサ、とか。
ホワイトアルバム』の緒方理奈、とか。
なぜか「気丈」が重要視される役所が、ものすごく、多いワケでして。


水樹奈々さんのアニメに於ける「当たり役」は、シノブ伝のシノブくらい?
七人のナナ』のナナも、アレはアレで素敵でしたけど。
他の六人の「ナナ」が、無意味にゼイタクな布陣なので、考察が難しい。(笑)


……で、『BLOOD-C』。


内容的には、一人また一人、モブや知人が惨殺されるオカルトホラー。
田舎の牧歌的な閉鎖空間で、忍び寄る殺戮の影に不安をくすぐられる展開は。
ある意味、アニメ『ひぐらしの以下略』に近い緊迫感がある気もしつつ。
そのうち、双子とか、喫茶店のマスターとか、主要人物も殺されるのかと思うと。
平穏な日常パートですら、緊張感の緩む暇も無いほどの鬱アニメ。


なのですが。
主役のメガネ。
なんつーか。
水樹奈々さん、では、『役不足』だと思うのですが。


役不足
水樹奈々さんを使わなくても、新人でも充分じゃん?」。


力不足?
水樹奈々さんには、あのメガネの剣気と深淵は演じられないよね」。


うん、「力不足」じゃなくて『役不足』。
水樹奈々さん、だと、オーバースペック。
新大阪から京都へ向かうのに、わざわざ、新幹線を使う、……みたいな。
各駅停車(竹達彩菜さん)、……とか。
快速(橋本みゆきさん)、……とか。
新快速(小清水亜美さん)、……とか。
いくらでも、コストを抑えて、同等の経済効果を得られる配役は可能だと思うのですが。


逆?
歌手のついでに声優をやってる水樹奈々さんは、以外と、安価で使えるのか?(笑)


どうなんでしょうね。
声優の布陣を考察する際、世のオタクは、顔と人気と知名度ばっかり注目するのですが。
「コストの皮算用」って、以外と、ものすごく大きい素養だと思うのですけれど。
実額、どれだけのカネが動いてるのか、なんて、誰も知りませんけれど。
「誰を使うより、コッチの方が安いよね」みたいな話も、あって良い気もするのですが。


取り敢えず、『BLOOD-C』に関しては。
水樹奈々さんを主役に据える意味が、まったく、無いと思います。
CLAMPの大看板に、客目が奪われてるし。
無関心層は、「ふーん」って感じでしか見てなくて、経済効果は波及してないし。
せいぜい、水樹奈々さんの信者が、ちょっと心を揺さぶられる程度。


個人的には。
世間の無関心、と、内容の密度、と、演技の質、を、考えたら。
橋本みゆきさん、……が、ベストキャストだと考えてしまう不思議。
「エンディングも主役が歌う」って点まで、考察した上で。


いくら剣の使い手だからって、妄信的に川澄綾子さんを推奨する気は無いです。
つーか。
川澄綾子さんにエンディングを一任したら、話題性は期待できますケド。(笑)
でも、川澄さんのキャラの志向は、西洋剣であって、刀とは違うからなぁ。
……ィャ、桜野音羽は、がっつり日本刀を振り回して「古き者」と戦ってたケド。