たなばた…

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見上げれば
雲の向こうに
天の河


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♪やっと見付けた織姫さま
♪だけど、どこだろう彦星さま?
♪コレじゃ一人ぼっち…


そんなワケで、七夕です。


一説によると、……と云うか、通説では。
雨が降ると、織姫と彦星のデートは、キャンセルになるそうですが。
今年の七夕は、ほぼ全国的に、豪雨曇天。
空は灰色に覆われ、とても、デートなんて気分にゃなれません。(笑)


つーか、気のせいかも知れませんが。
例えば、センター入試の日は、なぜか雪の得意日、みたいな感じで。
七夕の日は、なぜか曇天の得意日って気がするのですけれど。


でも。


良く良く考えて見れば。
「雨が降ったら、織姫と彦星は、逢えない」、……って発想は。
なんとも地動説的、……と云うか、人間本意の地上目線ですよね。


気象学から考えれば。
雲や雨、ってのは、成層圏(大気圏)内での水蒸気物理現象です。
どんなにか、記録的な豪雨であっても。
ベガとアルタイルとデネブには、まったく、影響が無いワケで。


飛行機か何かで、ちょいと、空を飛べば。
ぶ厚い雲の天上まで、人間ごときの科学の力でも、スッと飛び越えれば。
そこには満天の星が煌めく、格好のデートスポット「天の川」です。
星座早見盤で、方角さえ確認すれば。
キャッキャウフフな織姫と彦星の姿が、遠望から見られるワケでして。


ええ。
「雨の日は、七夕デートは中止」ってのは、都市伝説だと思います。
雨だろうが、雪だろうが、織姫と彦星は、デートしてると思います。
……空気を読まないデネブに、邪魔されながら。(笑)


あるいは、叙情的、かつ、神学的に考えれば。
物理学や科学の観点を、一時的に、無視するとすれば。
今年の七夕を、全国的に、雨のカーテンで閉ざしてしまったのは。
東日本大震災の被災者に対する、神様なりの、配慮なのかな、と。
お悔やみの弔意、と、復興への祈り、と、ささやかな一涼の寄付。


ボクは、無神論者で、神様を信じてはいません。
すべからく、世の事象は、科学や物理学で説明ができると考えています。
……、が、否。
フィクションとして神様が居たら、人間的に、こう考えるかなー、とか。
どちらかと云うと、ギリシャ神学の考えに近いのかも知れません。
八百万、森羅万象、あらゆるモノに意思ありき。
無神論」とか言いながら、古事記に殉ずる正統古神道に近いかも。


ギリシャ神学、と、日本古神道古事記伝承)、って。
まったく別物に見えても、ヤってるコトは似たり寄ったりなんですよね。
神様のクセに、人間と同等の考えで、人間と共通の功罪に右往左往して。


えーと、つまり。
天上の果て、無限に広がる大宇宙、人間の科学では届かぬ、光年の先で。
織姫と彦星は、毎年、デートしてるんじゃないかな、……と。


でも、さ。


「おぎゃー」と泣いて生まれてから、100歳を天寿真っ当として。
病院のベッドが隣同士、幼馴染の由縁で結婚して、共に100歳まで添い遂げて。
そんな、超長期スパンの良縁に恵まれた、恋人でも。


365日×100年 +a(閏年)= 36500日、と、強。


織姫と彦星は、確かに、一年に一回のデートなのですが。
いったい、今年は、何万回目の夜伽なのかなー、と。


本当に、切ないのは、儚いのは。
一年に一度しか夜伽が許されない、織姫と彦星の愛か。
好きなだけ愛し合ったとしても、40000日も経ずに朽ちてしまう、人間の愛か。