ほととぎす…

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鳴かぬなら
それも一興
不如帰


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パラドックス
正しい、……と、信じられていた命題の結論が。
予期せぬバッドエンドをもたらす不思議。
厳密には、バッドエンドばかりでは無いですが。


一例。
105,676粒の砂で構成された砂山があります。
アナタは一日あたり100粒ずつ、砂粒を取り払います。
そして、1,000日を超えた頃。
5,676粒の「砂山」と、100,000粒の「砂粒」。
……果たして、どちらが『砂山』なのか。


一例。
原子力発電所を冷やすため、外部から水冷を続けて。
溢れた汚染水が外界に悪影響を及ぼすから、と、水冷を停止して。
……果たして、水冷を停止するべきか、続けるべきか。


一例。
著作権保護のために、コピーガードを施した地上デジタル放送。
しかし。
簡潔手軽に録画のできない実状に嫌気が差して、加速するテレビ離れ
映像コンテンツに金銭が流入せず、苦境に立たされる著作産業層。
(テレビに対する興味の喪失、ネットメディアやユビキタスへの移行)
……果たして、著作権(著作産業層の営利)は、保護されているのか。


などなど。
ある、正しい命題が齎した、正道とは掛け離れた結論。


<戦国乙女>


副題の、〜桃色パラドックス〜。
兼ねてより、何が『パラドックス』なのか、ずっと疑問だったのですが。
物語の本筋が、「では、誰が天下を統一すれば理想の日本となったのか」。
……その根底には、徳川家康による泰平への全否定があったりして。


織田信長が天下を布武すれば、日本は、もっと住み良い国となったのか。
豊臣秀吉の天下統一が成就すれば、日本は、臣民ともに平等となったのか。
あるいは。
奥州筆頭伊達政宗が統括支配すれば、富国強兵の最強国家となったのか。


結局、群雄割拠の戦国時代を、最終的に、誰が取り纏めれば。
今とは異なる、もっと住み良い日本となったのか。
その辺りの問題定義が、つまり『パラドックス』の大意なのか、と。


たかが萌えアニメのクセに、なかなかにして深い問題を投げ掛ける。


で。
パラドックスとは、別問題で。
妙に、気になったコトが、もう一つ。


戦国BASARA』。
『殿といっしょ』。
『戦国乙女』。


どうして。
伊達政宗に、いちいち重要なポジションを一任するですか?(笑)
重要なポジション。
織田、豊臣、徳川、の、三すくみの大前提に対して。
「オマエら、ホントにそれで満足か?」みたいな、御意見番。


武田と上杉は、二人して睨み合いつつイチャイチャしてるし。
毛利と長宗我部は、中盤に出て来てヤられる噛ませ犬。
島津やら、前田やら、今川やら北条やら。
別段、伊達に任せなくても、味のある武将は山ほど居るのに。
なぜか、伊達がド真ん中に立ち、物語を牽引する不思議。
その、外堀で。
織田が突き、羽柴が捏ねし天下餅を、座りしままに食べる徳川。
……その餅の原料の米を提供したのが、あるいは、伊達だったのか。


伊達政宗、……と、云うヒトは。
鳴かない不如帰に対して、どんなスタンスで接するヒトだったのか。
あるいは。
伊達政宗が天下を取れば、日本は、どうなっていたのか。