ほんのうじ…(前)

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本能寺
紅蓮に染まる
悲恋花(こいごころ)


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「敵は、……本能寺に在り!」


<戦国乙女>


第六天魔王織田信長重臣にして不遇の鬼才、明智光秀
仏も神も恐れぬ超人を一夜にして滅した、悲哀の凡人。



主君ノブナガの度重なる冷遇に、我慢の限度が、ついに荷底を尽き。
意を決して、焼き討ちを心に決っしたミツヒデ



作中では、伊達政宗やら徳川家康やら、第三者のカマ掛けにより。
むくわれぬ悲恋(百合デレ)の果ての、愛憎劇。
メガネっ娘はキレると怖い」のは、ジャパニメーションの御約束。



ヒデヨシ「アケリン、親方は!?」
ミツヒデ「……ヒデヨシ?」
ヒデヨシ「まさか……アケリンが火を放ったの……?」
ミツヒデ「……。」
ヒデヨシ「親方は中にいるの?どうしてこんなコトしたの???」
ミツヒデ「…………。」
ヒデヨシ「答えて、アケリン!!!」


えーと。
本能寺の変』の当日、秀吉は、中国地方にいたハズ、とか。
その辺の、シビアな史実観点からのツッコミは、御容赦ねがいます。(笑)
(現実の史実の仔細が気になるヒトは「中国大返し」で検索)
つーか、そもそも。
明智光秀を「アケリン」と呼ぶ点が、まず、どーかと思うのですが。
まぁ、今は修羅場の真ッ只中なので、不問としましょう。(笑)


主君、ノブナガの身を助けるべく。
炎獄と化した本能寺へと飛び込むヒデヨシ。
この後、伊達政宗と合い対して、ちょっとした悶着になるのですが。
「だから、毛利と合戦中で、ヒデヨシは本能寺には居ないぞ」とか。
「なぜ、伊達政宗まで本能寺に絡むのか」とか。
諸所、ツッコミ所は満載なのですが。
「まぁ、萌えアニメだし」ってコトで、すべての矛盾点は、総スルー。



本旨は、飽くまで、ミツヒデの一大謀反の一部始終の実況レポート。
ヒデヨシの後を追い、灼熱の本能寺へと飛び込んだミツヒデ


乙女の気の迷いから端を発した、若気の至りの暴走に、我が事ながら震撼。
是が非でも、否、是非も無く。
主君を、この炎獄から助け出し、謀反の不忠を腹を斬ってでも詫びるか。
あるいは。
報われぬ忠義と大乱の不義を恥じ、このまま主君と共に焔に巻かれて果てるか。


紅蓮の坩堝の最中、その心中の迷いは、未だ晴れず。





「光秀ェエェェエ!!」




その、ミツヒデの迷いを穿つ、主君ノブナガの咆哮。
炎熱の渦中に立ち、その覇気、風前の灯火にして、ますます燃え盛り。


疾風怒濤、ストーリー佳境、『戦国乙女』の「本能寺の変」。


叛乱の顛末、と、波乱の結末、の、レポートの続きは、後日、改めて。