ないと…

※ : 本日の内容は、弔事訃報に関する話題なので、575は休載とします。


子供に特殊な名前を付ける親、と、云うのが。
最近、水面下で社会問題化しつつあるとか、無いとか。
(「就職等に於いて、不当な差別を受ける」なる手合いの都市伝説が蔓延している)


親は親で、子供に対する(過度の)愛情あっての事なのでしょうけれど。
その名前で不遇を強いられる子供の身のコトも、考えてあげて欲しい所存。
……、とか。
そうした賛否両論が、ネット上を問わず、全国的に広がっているワケですが。


賛否。
時代に左右されない、個性の確立の上での強固なアイデンティティとなるので。
他人とは異なる特殊な名前が、人生に於いて、むしろ武器となる子もいます。
逆に云えば。
普通の名前だけど不遇を強いられる子だって、大量に存在します。


結局、名前なんてのは、何のモノサシなもならないのですが。
そんな、親の愛情と、子のアイデンティティの差異が招いた、小さな悲劇。


具体的に、どの事故の話、……とは、説明しませんが。


「騎士」(ナイト)。


そう、名付けられた子が。
都会の河原の底で、友達数人と共に水死体で発見されました。


その場所は、近所でも、危険地帯と評判で。
地域社会、学校、親。
各所が連携して一丸一体となり、こうした悲劇を未然に防ぐため尽力していた場所で。
子供が迂闊に立ち入らないために、様々な対策が講されていた場所で。
……にも、関わらず。
起こるべくして発生した、ある種の「想定された、事故」。


「騎士」(ナイト)。
そう名付けられた、その、亡き子と友人数名が。
いったい何を考えて、地域が『危険』と釘を刺した危地に、敢えて踏み込んだのか。
……そして、悲劇的に、帰らぬ人となってしまったのか。


こうした事故を防ぐには「親の躾」以外に、有効な方法がありません。
学校教育による啓蒙、地域による声掛け、それらは予備的な防御策です。
二重、三重、セーフティネットを敷く事で、子供の生命を守る。
その上で、第一の命綱が「親の躾」なのですが。


「騎士」(ナイト)と名付けた、親御さんは。
どんな心境で、どんな表情で。
危地に踏み込み生命を落とした、その、勇敢と無謀を履き違えた子の遺影を胸に。
葬儀の場に立つのだろうか、……と。


『親の顔が見てみたい』とは、何とも非酷な言い草ですが。
親の愛によって未然に防ぐ事ができた、「想定された、事故」。
その悲運の主人公の名が「騎士」(ナイト)……、ってのは。


神様とは、実に、残酷な所業を人間に架す、と。


改めて、悲痛に感じた次第。