じゅーなな…

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皆から
姉と慕われた


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5+8+4 = 17。
17文字です、ぉぃぉぃ♪(違っ…)


……、ってなワケで。
井上喜久子お姉ちゃん、と言えば、云わずと知れた天然ボケの太祖ですが。
「一億人のお姉ちゃん」ってキャッチコピーが許されて然るべき存在だとも思いつつ。


そもそも「一億人の妹」ってな、オタク殺しのキャッチコピーが。
まったく妹ポジションを無視して、一介のアイドルの宣伝文句に使われていたワケで。
先達の老外、とまで酷する気は無いですが。
マスコミが、いかに「言葉」を大切にしないかを伺い知れるエピソード。


でも、「一億人の妹」の大看板が相応しいヒトって誰なのかしら。
(アニメ、ゲーム等のアキバ系を前提とした場合。)


今だと、高坂桐乃あたりなのでしょうけれど。
一億人規模を座巻した妹キャラだと、木之本桜がいたりするワケですが。
「妹」って単語の特異な性的意味を時代に突き付けた、朝霧麻衣、とか。
「妹」の個の人格の深淵を尖辣に時代に問うた、涼宮茜、とか。


「妹」が『妹』としての他意や多意を含む様になった過渡期も加味すると。
シスタープリンセス』の12姉妹まで含めて。
ものすごく、難しい話題へと流れが広がるワケですが。


リルぷりっ


今日は「妹」では無く「お姉ちゃん」の話題。


斯く云う井上喜久子さんも、実生活では「妹」でして。
姉に対する反骨と感謝の二律背反が自分のスタンスを形成した、とかで。
ファンの人々から「お姉ちゃん」と呼ばれて慕われる度に。
実姉、井上弥生さんの『姉』の立場の深さが身に染みる、とか。


いつぞの紅薔薇さま水野蓉子さまも、おっしゃってましたよね。
「包み込んで守るのが姉、妹は支え」
……ィャ。
……リリアン女学園の姉妹(スール)制は、また別問題ダロ。(笑)


ともあれ。
「仮想的な姉キャラ」で笑顔を振り撒く井上喜久子さんの深淵は。
とても現代的な成人女性の弱みを内包した、普遍的な大人だったりするワケで。
だから「天真爛漫」や「天衣無縫」以外の一般的な感情も表出できるワケで。
(逆に、そうした人智を超えた天然ボケは天賦の才でもありますが)
殊。
表出させない負の感情の封殺には、ものすごいリアリティがあります。
物語の終局で憎悪や悪意を爆発させた時の迫真は、凄まじいです。


ただ単に、天然ボケと悪女のギャップ、……ってだけの話かも知れませんが。
もし、普通に、そうだとしたら。
ほぼ十年近くもブランクが空けば、二度とマイク前に立てないと思う。
社会がニーズを求めても、本人が自分の力不足を苦に自省すると思う。
それだけ、役者としての地金と自負があるからこそ。
今、改めて、悪女としての井上喜久子さんが新時代に立っている気がしつつ。


悪女としての、井上喜久子さん。


最近の井上喜久子さんは、殊、天然ボケに走らないキャラが多いです。
おとめ妖怪ざくろ』や『マクロスフロンティア』など。
ラスボスとして、最後の最後に牙を剥く殿(しんがり)を務めるコトが多いです。


「17才です、ぉぃぉぃ♪」の一面しか知らない人から、して見れば。
なんつーか、ドン引きと云うか、物足りなさを感じるかも知れませんが。


むしろ。
役者として、今の井上喜久子さんの方が、格段に面白い。


人間の多面性の深さを、繊細かつ多彩に表現できる「女優」として。
経験と実力の天秤が、奇跡的な均衡を保持しているワケで。


リルぷりっ』の魔女。
声優・井上喜久子さんの醍醐味と真髄の凝縮された、味なキャラだと思います。