からげんき…

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カラカラと
乾いた笑顔で
空元気


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KARA、……と云う韓流アイドルグループを御存知でしょうか。
ィャ、一般的なアニメオタクでも名前ぐらいは知ってるダロ。(笑)
好きか、キライか、その辺の個人的な意識差は別として。


解散するとか、賃金が安くてやってられないとか。
悶着とか騒動とか、色々と面倒を背負っている人々なのですが。
カメラを向けられると、ちゃんと笑顔になる辺り、かなりの筋金入り。
昭和50年代のニュアンスで云う「アイドル」の光と影。


なんつーか。
あんな感じの疲れた笑顔を、俗に『空元気』と呼ぶのかなぁ、……と。


KARA元気。
誰が上手いコトを(略


ィャ、ボクの十八番じゃなくて、ネット上での定番ネタです。
色んな所で、色んなヒトが、ドヤ顔で言いまくってる王道のシャレです。(笑)
ウケる、滑る、引く、盛り上がる、反応も場所に寄って様々です。


…、で。


話は唐突に飛びますが、2月1日は『Kanon』の美坂栞の誕生日だそうで。
真冬の公園で、バニラアイスを狂食する、電波な不思議ちゃん。
その特異な食生活は、度々、ネタにされたりされなかったりなのですが。


「なんか、真冬にアイスクリームって、やっぱり冷たいですよね」、とか。
「やっぱり、アイスクリームは、夏に食べた方が美味しいですよね」、とか。
「でも私、夏まで生きていられるかどうか、分かりませんからね……」、とか。


だから命がある内に、冬でもアイスを食べていたいと思う私は変ですか?、とか。


まぁ、ネタバレって程のコトでも無いのですが。
栞は、設定上、医者から「この冬が峠」と言われた重度の病人で。
「余命幾許も無い病人が、屋外でアイスなんか食べるなよ」みたいなツッコミもあるのですが。
逆に云えば。
「もう、死ぬまでに時間が無いから好きな事をして良いよ」って医者に突き放されたワケで。
その辺の絶望と、諦めと、それでも生きたいと願う切意が交錯する、泣きの話なのですが。


安っぽい話と思われるかも知れませんが。
その手の病気妻や病気彼女の映画は、どれもこれも似た様なコトやってますからね。


ともあれ。
真冬にアイスを狂食する、その行動の真意は、実は。
夏まで余命が続かないかも知れぬ不安に起因する、乙女の切ない我侭だったりするワケで。
……っても、只のエロゲーなので、深く考えるのも野暮なのですが。
……それでも、理路整然と、彼女なりの事情や意味があるワケで。


真冬の公園で、遠く、夏に想いを馳せながら、笑顔でアイスクリームを食べる。
そんな彼女のBGMが「笑顔の向こう側」ってタイトル、だったりするワケで。


笑顔の向こう側。
KARAの面々も、笑顔の下で、年頃の少女然とした色々なコトを考えてるのかなぁ、と。


KARA元気、空元気。


ただのシャレだけど、当事者が抱えている鬱屈は、決して空々しいとは思えないですし。
美坂栞はゲームキャラだけど、KARAの五人は現実に生活する、生身の人間ですから。