かんばり…

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トイレには
いつも傍らに
カミ、或りき


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古来、トイレには「神」が宿るとされていますけれど。
近年、トイレには「紙」が不可欠とされています。


神、と、紙。
その、言葉の一重の差。
ええ、アリガチにして王道な、古典的なダジャレですが。


否。
では、貴方にとって、どちらの方が重要ですか?


トイレの、神。
トイレの、紙。


八百万、万物に「神」を見出す故習を軽んじて久しい、現代社会。
「神」よりも「紙」が具体的に鎮重される実状。


トイレの神様


♪ トイレには、それはそれは綺麗な女神様がいるんやで


そんな印象的なサビで切々と歌い綴られる、ある女の子と祖母の日々。
いつしか、少女と祖母の「日々」は、「ヒビ(心の溝、裂け目)」となり。
そうした邂逅を巡りつつ、家族の在り方と感謝を淡々と描き綴った、歌。


植村花菜さんの『トイレの神様……が、今。
人々の心に、熱く、何かを伝えるメッセージソングとして注目されています。
いや、実際、近年では珍しく正統派な歌手であり、実力も相当でして。
否、コネが何も無いから誰も評価してくれない、典型的なシンガーソングライター。


十年に一度、ぐらいの周期で。
大手第三者からの外付け評価や宣伝に、強引に後押しされるでも無く。
人々から人々へ、心の伝播を介して広く知れ渡る名曲があるワケで。
KANの『愛は勝つ』。
Kiroroの『長い間』。
……たぶん、その系譜だと思うのですけれど。


トイレの神様、と云うと、まず真っ先に「花子さん」が有名ですが。
(もっとも、「花子さん」は神位では無く妖怪ですが)
不浄の場、だからと言って、小汚い状態で放置しておいて良い場所では無く。
不浄の場、だからこそ、清潔の保持に努めなければならないワケで。
その意識(トイレの清潔)の啓蒙のために、創造神やら民衆神やら、色々な神様がいるワケで。


自今、各家庭や公共施設のトイレは、清潔な空間を尊重されているワケで。
明治、大正、昭和、平成。
時代が変わる毎に、いわゆる「べっぴんさん(美人)」が増えつつあるのであれば。
それは、あるいは、トイレの女神様の恩恵だったりするのかも知れませんけれど。


植村花菜さんの『トイレの神様』。


すごく良い曲なので、何かの機があれば、じっくり視聴してみて下さい。