まどいえみ…

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色白は
七難隠して
惑い笑み


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色の白いは七難隔す、なんてコトワザがあります。
ブスにはブスの難儀がある様に、美人には美人の難儀がある。
「七」ってのは、日本人が語呂と語感で好んで使うってだけの話でして。
無くて七癖とか、七転八倒(七転八起)とか、七花八裂とか、夜桜御七とか。
スリーセブン、ラッキーセブン、など、縁起の良い場面でも使われたりして。


大きな一難に毅然と立ち向かう美女。(fateのセイバー、など)
小さな四十九難を絶えず吐露する美女。(ぱにぽにレベッカ宮本、など)
「七難」ってのは、凡そ「それなりの…」って意味を示唆する詩的表現です。
美女、……とは云いつつ、肌の色や年齢は度外視して考えています。


極論、例えば『スカイガールズ』で云えば。
色白の金髪の最年少、ルイーゼにはルイーゼの七難。
(ドイツ軍部の全滅により家族軍友が全員死亡、天涯孤独)
褐色の黒髪の最年長、アイーシャにはアイーシャの七難。
(冷凍睡眠で50年間保存され、目が覚めれば血縁親者さえいない、天涯孤独)


ガンダムヒロインでも。
セイラにはセイラの、ララァにはララァの、七難。
『GX』ティファにはティファの、『VG』シャクティにはシャクティの、七難。


別段、だから、肌の白黒と「七難」ってのは、意味が無いワケで。
美人でもブスでも「七難」ってのは、その辺の屁理屈の応用展開です。


で。
元来「色の白いは七難隔す」ってのは。
完璧超人の秘める憂いを慮る隠喩、だったりするワケですが。
いくら超人的性能の持ち主でも、露骨にクセの強いヒトには使われません。


・威圧と武力で高飛車に打って出る、向坂環
・絵に描いた様な深窓の令嬢ゆえに一般社会に適合できない、小笠原祥子
・自分の都合で(神威の及ばない普通の生活圏で)周囲を振り回す、涼宮ハルヒ
・すべての言動が自己顕示欲の一環に準じて打算に狂う、宮沢雪乃。
・実は、ただの思春期性恋愛依存症、北神未海。


……などなど。
すべからく、何か一つ、キャラクターとしての短所がクローズアップされているワケで。


「色の白いは七難隔す」。
まったく人生に陰影が無い様に見えて、実は、人知れず「七難」を思わせるヒト。
例えば、『ARIA』のアリシア・フローレンス。
それぐらい、一片の澱み無く、非の打ち所が無く、完璧超人なヒト。


うたわれるもの』のウルトリィも、似た様なスタンスだったのですが。
演者、大原さやかさん、いわく。
ウルトは、自分の孤独に気が付いていない分、人の優しさに過敏。
ゆえに負う必要の無い心の傷を負い、治癒に多大な時間を要する
、……とか。
アリシアさんが抱いている「七難」も、あるいは、演者として見抜いていたりするのかしら、とか。


ともあれ。
傍目に見ればマイナス要素が無いハズの高嶺の花が、人知れず抱く「七難」。
ラブプラス』の高嶺愛花も、また、そうした「七難」を秘める完璧超人の一人。
ヒトは不完全で良い、七癖あって丁度良い、……そのサジ加減が分からない。
そんな彼女の「七難」を解きほぐすのも、また、カレシの特権だったりするワケで。


10月5日。
今日は、そんな「高嶺の愛花」こと、マナカの誕生日。