しんおうの…

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シンオウ
長い旅路の
果ての先


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基本、ポケモンは、人間の言葉を喋りません。
否、ロケット団ニャースは。
人間の言葉を、例外的に理解できる世界で唯一の存在なのですが。
そんな彼には、彼だからこその艱難辛苦に纏わるエピソードがあったりするワケで。


トレーナー一人一人、ポケモン一匹一匹。
それそれが、それぞれの事情とドラマを抱えて、繰り広げられる壮大な青春群像。


ポケットモンスター D/P>


恐らく、歴代のポケモンの中で。
もっとも自己主張が激しく、喜怒哀楽の振幅が激しく、饒舌。
ヒカリのポッチャマ


カスミ、ハルカの後釜を継ぎ、ヒカリがサトシの側室を務めて四年。
その間、ポッチャマは、ずっとピカチュウと一緒にいたワケで。
そこに芽生えた勘定は、友愛よりも深いモノだったのかも知れません。
あるいは、恋、と云っても過言では無いぐらい。
……ィャ、ポッチャマがオスかメスか知りませんケドね。(笑)
……チアガールのコスで応援してたりしますけど「男の娘」かも知れないし。(笑)


シンオウ編の大団円に伴い、ヒカリとポッチャマの卒業。
サヨナラの現実を受け止められないポッチャマの、最期の、駄々。
喜怒哀楽の激しいポッチャマは、此処ぞとばかりに大泣きしてサヨナラを拒むワケですが。


なんか、ね。
心に、ね。
何かが響いた、サヨナラの場面だった。
そりゃ、こんだけ長く放映されてるんだから、色々な「サヨナラ」があったのですが。
なんか、この『サヨナラ』だけは、特別な気がした。


で、気が付いた。
ポッチャマの大泣きのシーンのBGM。
バイバイバタフリーで使われた曲じゃん。


ええ、色々な「サヨナラ」がありましたけど。
バイバイバタフリーだけは、永劫、揺らぐ事の無い神回でしたから。
あのシーンの感涙のリフレイン。


そんなポッチャマの駄々を、優しく慰め、諫めるトゲキッス


CV : 井上喜久子さん。


……やべぇ、これはやべぇ。
……井上喜久子お姉ちゃんマジ女神さま。
……つーか、もはやお姉ちゃんの領域を超えて、がっつり、母でしたけど。(笑)


久々に、井上喜久子さんの演技の真骨頂を見た気がした。
溢れんばかりの人間の激情を、全て、おおらかに受け止める完全なる母性。
その辺の器の大きさって、滅多に評価されないヒトだからなぁ。
お姉ちゃんは、ボケてなんぼの芸人スタンス、……みたいな。


ボケるだけじゃない、あらゆる万感を受け入れるだけの器があらばこそ。
(悲哀、憎悪、嫉妬、嘲蔑、惜悔、憤怒、などの、負の感情も含めて)
その全てを、愛の一文字で包み込むに至る、あの抱擁感が発揮できるワケで。


ともあれ、四年に渡るシンオウ編、堂々の大団円。
ニャースソーナンスが、実に、ポケモンらしい良い仕事をしてくれたワケですが。
久しぶりに、「ポケモン見たなぁ……」って感じの後味でした。