はたようく…

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波田陽区
武士は食わねど
高楊枝


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なんつーか。
ネットの意見を見ると、賛否両論の氾濫が凄まじい26時間テレビ


殊、コレは日テレの24時間テレビにも言われている悪口ですが。
長距離ランナーの人々は。
カメラが回ってない時は、自転車や自動車でインチキしてるんじゃないか、とか。
テレビと云う視覚メディアに毒された、視聴者の猜疑の悪習。


無論、ボクも、そうした猜疑を抱く一人なのですが。
その疑いの眼を振り払い、ガチで走ってるんだろうなぁ、と、言うか。


他ならぬ、島田伸介さん自身が。
「視聴者は、カメラの回ってない所ではインチキしてると思ってるぞ」と厳然と言い放ち。
「それでもお前等は、ガチで走り続ける事ができるか?」と突き付けた
のが。
なんつーか、凄く、印象的でした。


炎天灼熱のコンクリートロードを、自力で走破したとしても。
それを証明し、賞賛するのは、並走したスタッフと自分自身だけかも知れない。
その悪意と猜疑に打ち勝ち、そして自分を鼓舞する、その苦境に耐えられるか、と。


10人が見ていたら、7人ないし8人が、それは真実だと真摯に応援するでしょう。
けれど、例えば、たった一人。
その真摯な努力に対して「どうせヤラセだろ?」と嘲笑しただけで。
当事者の人格は、尋常無いダメージを受けるワケで。
それが、タレントと呼ばれる職種の人々の、ある種の天命だったりもするワケで。


島田伸介さんは、始終。
そうした悪意と猜疑を逆算しながら、当事者を激励し続けていたのが印象的でした。
彼自身、狡猾なオトコ(…と、自分で自分を評していた)だからこそ。
狡猾な奴の考えてるコトも分かるし、それがどうして人を傷付けるのかも分かるらしく。
「それに耐えられるか?」と、シビアな立場で総監(総司会)していた。


そんなこんなのゴタクを踏まえて。
上記のすべては、至極どーでも良い話。


本旨は、ここから、下。


深夜から夜通しで朝までバラエティー番組を続ける肉体酷使に耐えられず。
misonoさんが、駅伝走行をドクターストップ掛けられてしまい。
今までの努力の全てが全否定されて、ドン底の挫折を痛感させられたワケですが。
……今後、どうやって、ヘキサゴンファミリーの中で立ち直るのかなぁ、とか。


そりゃ、他のメンバーは、彼女の努力と気負いを熟知しているし。
それは大前提の下「誰かがダメでも、他の誰かが支える」ってのが暗黙の『絆』で。
その、misonoさんの欠員をカバーしたのが、他ならぬ、波田陽区さん、なのですが。


たぶん、誰よりも、misonoさんの失態を許せないと思っているのが。
他ならぬ、misonoさん自身だとしたら。
その心の傷を、どうやってリカバーするのかなぁ、……とか。
殊、彼女の姉の倖田來未さんは、絵に描いた様な完璧主義者で。
姉に対するコンプレックスとか、ダメな妹としての立つ瀬の無さとか。
万感の屈辱に呑まれ、後半は呆然自失のmisonoさんだったワケですが。


恐らく、バラエティー番組の発言から逆算した感じでは。
倖田來未さんからして見れば「次、ガンバレ」と割り切ると思うのですが。
ドクターストップにより穴を開けてしまった迷惑は、それとして。
その後の活動で、いくらでも挽回できるワケですし。
挫折と挽回を繰り返して成長するのがプロ、だと、自戒しているディーヴァなので。
本気ってのは、邂逅では無く、進捗にこそ現れると熟知している人物なのですが。
そんな姉が、妹misonoさんの挫折を、どう支えてあげるのかなぁ、……とか。


そして。
万感の屈辱に沈むmisonoさんに背を向けて。
ただ一人、黙々と、misonoさんのアクシデントの修復に奔走した、漢。


波田陽区さん。


なんつーか。
この、漢。
名実、共に、侍じゃん、…………とか。


ギターと云う刀を捨て、最近は、すっかり腑抜けの素浪人の元ギター侍ですが。
刀が無くても、心根は武士(モノノフ)なのかしら、……と、云うか。
「バラエティーとして美味しい所を掻っ攫った泥棒猫」と誹謗も受けながら。
誰がために、黙々と、天上人の我侭と家族の都合を一身に背負い、自我を払拭した漢。


ねぇ、シモン。
サムライって、一体、何ですか?