たすうけつ…

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紙キレの
数で振り分け
議席


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十年ほど昔の話。
衆議院選挙だか、参議院選挙だか、市会議員選挙だか、忘れましたが。
まぁ、大規模な選挙のために、地元の小学校へと馳せ参じたワケですが。
……そう。丁度、今回の参議院選挙みたいに、ね。


地元の小学校へと続く通学路。
肌寒い、小雨の散り降る中を。
何を考えるでも無く、のんびりと歩いていたのですが。
そんなボクの小脇を、何台もの乗用車が通り過ぎて行きました。
乗用車が向かう先は、ボクの行き先と同じ、地元の小学校。


考えてみれば、その時、ボクが歩いていた道は。
華奢な小学生が、徒歩で学校へと向かう通学路で。
炎天の夏の日も、大寒の冬の日も。
雨の日も、風の日も、カミナリの日も、晴れの日も。
ほぼ300日弱、都合6年間、通い続ける修行の旅路なのですが。


そんな、小学生の歩く修行の旅路を。
ヲトナ達は、自動車を使って、楽して、悠々と突っ走るのです。


……なんつーか。


こんな自堕落な連中が多数決で決めた人間を「議員」と囃し立てて。
国政だか市政だかを一任して、本当に、大丈夫なのかしら、と、想いました。


小学生が、徒歩で毎日、歩いている道を、ですよ?
ガソリン使って、CO2バラ巻いて、サクッと行っちゃうんですよ?
歩くのが面倒臭いのか、雨に濡れるのがイヤなのか、知りませんけれど。
メタボや地球環境を気にするなら、歩いて行けよと思ったり、ね。


「この国は、本当に、大丈夫なのか」と、行末に不安を感じた十年前。
……そして、十年後の今日。
案の定、この国の政治は、十年前のボクが不安視した通りの迷走の憂き目にあるワケで。


小学生が徒歩で通い続ける道を、自動車で楽に突っ走るヲトナたちの多数決によって。
名前だけ「議員」を名乗るコトを容認された、無能な政治屋さん達のおかげで。
要らぬ苦労に人生を振り回されるヒトの数が、年々、増加の一途です。


なんつーか。
国民に架せられた、一票の、無力を思い知りました。


自販機でコーヒー買う時に、一円玉が梯子状のフタのある側溝に落ちたって、さ。
大抵のヒトは、拾わないもんね。
……その一円玉と、ボクの一票は、ほぼ等価値なのだと思います。


いや、ボクの一票は、もっと価値が無いよね。
何十万分の一、だもの。
数十万円も入ってる財布の片隅に放置されてる一円玉、と、ほぼ等価値ですよね。


ねぇ、シモン。
選挙って、一体、何ですか?