ぺなんがる…

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ペナンガル
東南アジアの
ハチ女


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いつぞ、スズメバチに襲われた夢を見た話を書いたのですが。
(その数日後、囲い火鉢に関する書『偽物語』に巡り合った、みたいな話で)


生来、ボクは、あまり夢と云うモノに振り回されません。
パンダに追い掛けられた、とか。
ゴジラに踏まれた、とか。
どうにも、夢診断では判断が難しい、稀有な夢ばかり見る。(笑)


何度か、火災(火炎)の夢を見たコトもあるのですが。
吉事、凶事、相応に「塞翁が馬」と云う感じで、平均的に吉。
起きた時の印象は、それが正夢たらぬ事を切願するばかりだったのですが。


例えば、火事の夢。
一説には、自分の内のエネルギーの高鳴りを示唆する吉夢とされています。
一説には、文字通り、身近な火事に対する警告夢とされています。
一説には、パニック映画などの火炎恐怖への無意識フラッシュバックとされています。
(この辺は災害事故PTSDとの関係もあるので、判断がとても難しい)


要するに。
直後の大きな出来事を軸に、もっとも近時に覚えている夢を逆参照するのが。
いわゆる「夢占い」だ、と、ボクは思っているのですが。
ほら、アレですよ。
『〜〜の予言書』みたいな感じ。(笑)


なのですが。
冒頭の「スズメバチ」の夢の話。
もっとも顕著な衆説として「怪我、病気、事故、喧嘩に対する警告夢」なのですが。
ボクの場合は「囲い火鉢を題材とした小説との曹禺」を示唆していたワケでして。


とかく、占術全般に言えるコトですが。
一元論、一価論、一示論、では、どうにも説明が侭なりません。


で。
最近、ひどく、稀有な夢を見ました。


机の上にハチが止まっていたんです。


最初はハチだと気付かなかったモノだから、素手で掴んで、まじまじ観察して。
琥珀色だか、白桃色だか、蜂蜜色だか、黄金だか、白金色だか。
なんとも綺麗で、神々しくて、夢の中でも夢見心地って感じだったのですが。
そいつは、やや不機嫌な顔で、お尻をボクの手の平に擦り付け。
そのくすぐったい感触で、「やべぇ、コイツ蜂だ」って認識して。
その手にハチを乗せたまま、窓辺に移動して。
「…ごめんごめん」って、空に放った所で目が覚めたのですが。


空に放った、そのハチは。
ボクの家の周囲を周遊していた気がするのですけれど。
ボクを刺すワケでも無く、警告や危害を加えるでも無く。
『私はココにいるよ♪』って、じゃれる様な距離感でした。


目が覚めた後、別段、何の根拠も無いのですが。
急ぎ、パソコンを立ち上げ『ペナンガル』に付いて調べてました。
……ええ。夢の中のボクは。
アイツが、あのハチが『ペナンガル』である事を信じて疑わなかった。


実際に調べると、色々と、グロテスクな説話が満載の妖精ペナンガル、なのですが。
だとしたら、ボクが夢で見た桃源郷の極彩色のハチは、ペナンガルでは無かったのかしら。
総じて、『ハチ(Bee)』の夢診断は「喧騒、事故、病気に注意」なのですが。
刺されなかった場合は吉夢、富の運気に恵まれると診断されている夢占いもあったり。


だとしたら、金運に直結する、他のハチの妖怪妖魔が存在しても良さ気なモノですが。
なぜか、ボクは、アレを『ペナンガル』だと信じて疑わなかったワケでして。


凶夢、ってのは、口外流布するコトで厄災が薄れると云います。
吉夢、ってのは、伝播吹聴するコトで幸福が広がるとされています。
要するに、良悪を問わず。
明晰夢なら、ヒトに聞かせてナンボの話のサカナ、だ、そうで。(笑)


よほど、しっかりと覚えている場合。
夏目漱石御大の『草枕』よろしく。
ボクも倣って「こんな夢を見た」って話を、度々、書くワケなのですが。


ペナンガル、……ねぇ。
きょうび『女神転生』ぐらいにしか登場しないハズなのに。
なんだって、また、ウチ(ボクの夢の中)に迷い込んだのかしら。