せんりおか…

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千里丘
閑と聳える
夢の跡


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エキスポランド閉演に伴い、鶴見緑地と同等の公園地価と相成った吹田・千里の丘陵地域。
……あれ、吹田と千里って、まったく別の場所でしたっけ?(笑)


まぁ、おおよそ半世紀ほど前に、当時としては世界最大規模の万博を開催した場所。
「今も当時の地響きや地熱の余韻が残る、思い出の聖地」とは、叔父貴の談。


その、太陽の塔を拝する巨大公園の片隅に。
『鉄鋼館』と呼ばれるパビリオンの廃墟が、今もなお、鬱蒼と鎮座していたワケなのですが。


『鉄鋼館』。


物々しい名前に負けず劣らず、蔦の絡まる灰色の見目が粋な、小さな建造物。
建物としての価値こそ無いけれど、オブジェとして異様な価値を発する、異形の遺業。


それが、この春。
万博の歴史を構成に伝える語り部として、リニューアル会館したとか。


『鉄鋼館』を模して、まったく新しい建造物が増築されたのか。
『鉄鋼館』そのものを、ビフォア・アフターよろしく改造したのか。
……その辺の事情は、よく解からないのですけれど。


まぁ、太陽の塔と並んで、大阪万博'70を記念する施設として。
永く廃墟として放置されていた『鉄鋼館』が、再び、注目を集めているとかいないとか。


ええ。
ボクは好きなんですよ、『鉄鋼館』。
産まれたのが'78年なので、物心付いたボクが、その施設を初めて目にした時には。
すでに、廃墟と化してから10年の歳月が流れていたのですけれど。


以来、暇を見付けては、何度か一人で訪れた聖域。
小一時間ほど、グルグルと見ているだけでも飽きない、不思議な廃屋。
中に入るコトが出来なくても、外から見てるだけでも面白い、不思議なオブジェ。


もし。
もし、改装されてリニューアルされたのが、当時の『鉄鋼館』なのだとしたら。
また一つ、昔年の夢が、実現したコトになるワケで。


「いつか、この『鉄鋼館』の中に入ってやるんだ……」


そりゃ、'70当時の『真・鉄鋼館』を見学するのは無理だとしても。
2010に『新・鉄鋼館』として復活し、「鉄鋼館」の二つ名を背負うに遜色の無い施設であれば。
それは、夢の実現と個人的に自負しても赦される範疇だと思うワケでして。


ぶっちゃけた話。
上海万博のニュースよりも『鉄鋼館』復活のニュースの方が、血が騒ぐ自今。(笑)


……上海万博は、舞台が中国だからなぁ。
……思い出よりも、歴史よりも、カネを優先する魔都・上海だからなぁ。(ド偏見 / 笑)


いずれ、上海万博から凡そ50年の歳月を経て。
例え、たった一つのパビリオンの廃墟であれ。
上海万博2010の痕跡を後伝する聖域的な施設が、夢の跡として残されるのであれば。
未来、それを拝観するために、神様仏様から与えられ賜う天寿を生きる糧となるかも。


可能であれば、2010年にリアルタイムで見に行きたいケドね。(笑)
それよりも何よりも、まずは。
千里丘陵大阪万博'70跡地の『新・鉄鋼館』を見に行くのが先決だわね。