ま…

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物、言わず
ひそめた眉に
何を想う…


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序盤、第四話にして、早々に恋仲フラグを立てたと思ったら。
以後は、噛ませ犬と云うか、場つなぎと云うか、いらない子と云うか。
別に、その場に居なくても、ストーリー進行に影響が無いモブと化したワケでして。
ニュアンスが近い立ち位置で言えば『ぱにぽに』の南条操、と、説明すれば伝わるかしら。


「うりゅーくん……」とか。
「……っ」とか。


せっかくの貧乏セレブスキルも、天性のツンヘタレも、発揮する機会が無く。
ノローグや心情描写を、セリフ回しでは無く、表情と「間」で視聴者に魅せる芸風。
やはり、犬神剣に対する南条操の微細な好意に近い、かも知れないですが。


ともあれ、ハーレムアニメのヒロインとしての、瀬名愛理の不遇を。
中の人の小野涼子さんは、解せないと、憤懣やる方ナシと言った御様子なのですが。(笑)
「ささらと云い、愛理と云い、どうして黙るかなぁ……」みたいな。
「ズバズバ言えない気持ちも、分からないでも無いけどさぁ……」みたいな。


ましろ色シンフォニー


時系列から考えて。
五行なずな女史の管轄の方が近い、と、云うか。
久寿川ささらの功績が、小野涼子さんの大看板となる前の声優仕事、……だと思うので。
愛理、と、ささら、の、間には、シナジーやシンパシーは無い気がするのですけれど。


なんつーか、個人的には。
瀬名愛理に小野涼子さんを布陣した配役は、偶然の産物の賜物による神キャストだと感じました。
……ィャ、まぁ。
……久寿川ささらに興味が無かったら、この布陣も「ふーん」って感じで軽視してたでしょうけど。
……例えば、『そらおと』のイカロスの早見沙織さん、みたいな感じに黙殺してたっぽい。


ええ、高嶺愛花についても、まったく興味が無いボクですが。
逆に、カノジョが、リンコでは無くマナカだったら。
『そらおと』のイカロスに対する評価も、大違いだったコトでしょう。


その程度。
熱度が高い様にも見えますが、瀬名愛理に対する賞賛も、ミーハーの贔屓目です。(笑)
小野涼子さんの活躍が、個人的に、気になっているだけの単純な話です。


……、っても。
みなみけ』のアツコ、など、眼中に無いキャラの方が多いコトも含めて考えると。
やはり、中の人どーこー、では無く。
瀬名愛理の、キャラクターとしてのポテンシャルの問題なのでしょう。中の人を問わず。


で、瀬名愛理を見ていて。
久寿川ささらを介して、小野涼子さんを神キャストの妙と感じた理由。
金銭的境遇や親との関係、主人公との半端な距離、これ見よがしにセレブな外観、など。
コジ付けで考えれば、接点っぽい接点は、いくらでも考えられるのですが。


本質的に納得した、一点。


会話の間に間に魅せる、溜めの「間」。


三点リード経由の小さな「…っ」を、吐息一つで音読できる、天賦の小技。
久寿川ささらを演じるに際して、徹底的に磨き上げた、小野涼子さんの十八番。


……ィャ、声優さんであれば、誰でも普通にやってる基本テクニックですけど。(笑)
……その所作が、なんつーか、中途半端に無駄なセクシー。
……安物の萌えアニメにバッチリの、廉価版セクシー。


エロゲ原典の、ストーリーの薄さ。
然して上手でも無い、ネタになるほど下手でも無い、普遍的な萌え絵。
それらに完全に合致する、バランスの取れた、小市民的セクシー。


絶妙だと思います。
身の丈に合った存在同士が、拮抗のバランスによって形成された、総合芸術。
どれか一つの分野が、突出しているワケでも無く。
全体的に、可も無く、不可も無く。


この、小野涼子さんの独特の「間」の妙技は。
いずれ、一芸として極めた果てには。
島本須美さんに匹敵する、ウィスパーの神位の座に至るのかも知れない。