へびおんな…

   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


ヘビ女
恋する心も
ヘビー級?


   ※   ※   ※   ※   ※   ※   


ボア・ハンコック
いや、何でもない。


もとい、「デレ」にも色々ありまして。
ツンデレを筆頭に、ヤンデレ、クーデレ、百合デレ、などなど。
総じて言えるコトは、飽くまで恋心の一語に尽きる心理状態である点。


それを踏まえて。
「ヘビデレ」って造語があるそうで。
蛇みたいに濃厚な、つーか、「ヘビー級の、デレ」。


一番最初に、その単語に出くわしたのは、遊戯王に関する話題なのですが。
「レプティレス」。
ゴルゴンやナーガに類する爬虫類族の一大カテゴリで、見目は女性型が多いのが特徴。
まぁ、一言で云うと、蛇女の集団です。
爬虫類族には「ヴェノム」ってカテゴリも存在するのですけれど。
「レプティレス」と「ヴェノム」がどんな関係なのか、なんだか良く分からないのですが。


レプティレス・ナージャ、……って、モンスターがいます。
グーグルで画像検索すれば一発で見付かると思いますが。
まぁ、蛇女の幼女です。
いわゆる萌えキャラ丸出しです。
遊戯王的な言い方をすると、アイドルカードの一つです。
(デッキに華を添えてくれる可愛い女の子がいても良いじゃない、……的なスタンス)


で。
この、レプティレス・ナージャ、が。
(決闘者の脳内妄想設定で)ヘビデレ、なのだそうで。
攻撃を受けた相手はメロメロ状態になり、攻撃力が0になると云うのです。


ええ、ボア・ハンコック
このヒトも、また、ヘビの魅了で相手の戦意を削ぐ戦術の使い手であり。
ある意味、ヘビー級のデレ。


厳格には『ヘビデレ』には、まったく別の意味があるそうで。
グーグルで調べてみたら、正等な真意に辿り着けなかったのですが。
否、「蛇 = ヘビー」なんて、しょーもない語呂合わせも、ほとんど存在しないワケで。


いったい、誰が、世界で最初に「ヘビデレ」なんて言葉を考えて。
それが、人伝に、色々なヒトに伝播感染して広がったのかなぁ、……と。


出典の時間軸から逆算的に考えて。
「ヘビデレ」の太祖は、ボア・ハンコックと見て間違いは無いでしょうけれど。
ストーリーの中で、具体的に「ヘビデレ」っぷりを見せるハンコックなら、いざ知らず。
まったく、そうしたストーリーの下地を持たない、レプティレス・ナージャが。
ハンコックと共通項を見出され、おなじ特質を持つ「ヘビデレ」に認知される、など。


手前勝手の造語が、新語としての意味と価値を付与される。
そんな日本語の面白さに、久々に、触れる機会があったり無かったり。


蛇みたいに濃厚な、つーか、「ヘビー級の、デレ」。


ヤンデレ、や、デレデレ、と、何が異なるのか。
その辺の語彙考察とか、非常に面白そうな気もするのですけれど。
例えば。
千石撫子、も、果たして「ヘビデレ」としての資質に当て嵌まるのか、とか。
声が細く、語調が弱いので、どうしてもサルやカニやネコに負けてるヘビですが。
千石撫子の一語一文に秘められた毒の強さは、かなり、蛇っぽいと云うか、ヘビー。


……で、フッと気が付いたコト。
ツンデレの語位(単語としての存在価値)が、随分と地に堕ちた自今。
改めて、気になったコトなのですが。
タカビー、と、ツンデレ、って、結局、何が違うんですか?


ある意味、ボア・ハンコックは、これ以上は無いぐらい高飛車な女性なのですけれど。
その兵法や戦術は、むしろ、四間飛車とも見て取れるほど「待ち」に徹した控えめで。
恋のいろはに居たっては、居飛車の晩生だったりするワケで。


ええ、一言で「高飛車」と言っても、様々なパターンが存在するワケでして。
そこに「デレ」の要素が加味された時、クーデレとかツンデレとかに派生するワケなのですが。


女心は秋の空、なんて言いますが。
高飛車のヘビデレ。


これ以上は無いぐらい錚々颯々たる快晴みたいに、聡明な恋にこそ一途に狂う淑女なのか。
台風一過の快晴にも似た、その美貌の足元に惨憺たる非常を纏う魔女なのか。