たこーやき…

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蒟蒻が
ふにっと、しあわせ
多幸焼き?


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最高の日。


一説によれば。
一時代を座巻した伝説の魔法少女の前身、高町なのは(トラは)の誕生日。
一説によりば。
一時代を座巻した伝説の格闘女子高生、春日野さくらの誕生日。
……とか。
……その辺のコトは無視して、料理の話。
……なんか、最近、アニメより料理の話題の方が増えてませんか?


少なくとも『今日の料理ビギナーズ』は。
ボクにとっては、料理番組じゃなくて、アニメなので無問題。
いきなり『もこみちキッチン』とか言い出したら、ちょっと心配して下さい。


オリーブオイル最強伝説。
……って、やっぱり見てるのかヨ。(笑)


ともあれ。
B級グルメ」なんて単語が、宣伝文句として世間を騒がせて久しい、自今。
なのですが。
インターネットのウワサの中には、サクラのステマが横行していたりする現実もあり。
テレビは無能な人間ばっかりが巣食い、集り、数字でしか良し悪しを判別できない状態。


舌と足で、我流で、食道楽を楽しむスキルが無い一般の価値観のヒトにとって。
他人の情報だけを頼りに、本当に美味しいのか否かも、不透明なまま、金銭だけを要求されるアコギ。
B級グルメ」は、いつしか、素人には手が出せない敷居の高い趣味となったワケで。


みんなが美味しいって言ってるから、美味しいと思う。
でも、本心は、それほど、何とも思っていない。
だから、すぐに、飽きる。
……で。
結局、食市場は、数字の暴力に淘汰されて、吉野家マクドナルドに支配される。
無論、ケンタッキー、ミスド、スシロー、などの多分野も含んでます。


……つーか、さ。
……最近の「B級グルメ」って、さ。
……無駄に材料が豪華だったり、高値だったり、数量を出し惜しみしたり。
……B級のクセに、作り手が客を選ぶとか、論外も甚だしい。


えーと、で、何の話をしようと思ってたんだか。


そうそう。
いつぞ、ラジオだか、ローカルテレビだかで、チラッと目にした事がある。
尼崎(兵庫県)の、御当地グルメの話。
それこそ、知ってるヒトしか知らない、今時にしては珍しい、真の『B級グルメ』。
すごい食材を使ってるワケでも無し、値が張るでも無し、数量限定でも無し。
その気になれば、尼崎に行ってカネを出せば、誰でも食べられる、普通の料理。


……で、「それを、実際に、作ってみたよ!」って、話。


<多幸焼き>


すごく、縁起の良い名前。
なのですが。
さァ、声に出して読んでみて下さい。


多幸焼き。
たこーやき。
タコ焼き。


……って、ただの駄ジャレじゃんっ!?(笑)


無論、「ただのタコ焼き」では無いです。
ちょっと向こうには『明石焼き』の御当地、タコには厳しい兵庫県ですから。


作り方。


1 : タネ(生地)を作る。
……タコ焼きを作る時と同じ用法で。分量や手順は、各家庭によって違う。


2 : 焼き器に流し込む。
……タコ焼きを作る時と同じ、手際と手間。


3 : 天カス、紅ショウガ、刻みネギ、コンニャクを入れる。
……コンニャクは 1〜2cm 角のサイコロ切り。タコは入れない。
……ココが、『多幸焼き』の、最大のポイント!!
※ : アレンジによっては、魚肉ソーセージ、や、一口ボールチーズ、も、有りかも。
(ただし、コンニャク以外を使った場合は『多幸焼き』にはならない。でも、地味に旨い)


4 : タコ焼きを作るみたいに焼き上げて、盛り、ソース、マヨネーズ、青ノリで仕上げ。
……ポン酢とか醤油とか、出汁に付けて食べるとか、味付けのアレンジは自由。
……可能であれば、皿は、縁日とかで見る、紙製の舟皿が望ましい。(理由は、後述)
……数は、一人前 6個 厳守。(理由は、後述)


とどの詰まり。
タコ焼きを作るスキルさえ有れば、タコをコンニャクに変えるだけで良い。


この、お手軽感。
そして。
この『たこーやき』とか云う、ド直球で、関西丸出しの、ネーミングセンス。(笑)


……では、なぜ。
ただ、タコの代わりにコンニャクを入れた、この『B級グルメ』が。
『多幸焼き』などと云う、物々しい二つ名を背負っているのか。


販売されている場所は、実は、尼崎競艇場です。
来場者が、縁起を担ぐに肖って、こぞって買うそうです。
日によっては、行列ができるコトもあるそうです。
美味しい、不味い、……は、問題では無く。
競艇の間に間に、手軽に、空いた小腹を満たすのが第一目的、……の、軽食。


安っぽい、縁日仕様の紙製の舟皿に、6個 盛り。
お値段、100円。(えっ!?)


どうよ。
まさに、真の『B級グルメ』ってのは、こんな感じだと思うのですが。
自分の家でも作れる、お手軽感。
だけど、やっぱり、現地で食うから美味しい、レア感。
御当地以外で食べても美味しくないからこそ、御当地グルメなんですよね。


…………とか。


なお。
本日の文面の諸所に見られる、高慢稚気なボクのゴタクと言い草について。
「御当地グルメ」や「B級グルメ」に実際に携わる人々に対して、最後の最後にて、謝罪します。


ただ、一つだけ、改めて、言えるコト。
尼崎競艇場で食べられる、6個100円の、コンニャクが入った「タコ焼きもどき」。
『多幸焼き』なんて、しょーもないけど仰々しい駄ジャレが愛されている、御当地グルメ。
多くの人々に、幸福を齎しているのは、事実です。


競艇で勝つか、負けるか、……は、別として。
「出した金額に相応の、満足感と充足」を約束する、料理の真髄だと思います。